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血液検査の結果をしっかりチェックしよう・腎臓編

この記事の目次

病気になったりケガをしたというわけではなくても、
愛犬が血液検査を受けることはありますよね。

たとえばフィラリアの予防薬を開始する前。
また、避妊、去勢、歯石のスケーリングなどなど、
なんらかの理由で全身麻酔を受ける前にも血液検査が実施されると思います。

その結果、何かの項目が「正常範囲を超えていました」
もしくは「正常範囲に届いていませんでした」と獣医さんから告げられると
「えぇっ!?」となるわけです。

では、「何も問題ありませんでしたよ」と言われた場合はどうでしょうか?
あまり細かく検査結果を見ないのではありませんか?

血液検査の数値は変動する

血液検査の結果には、犬の体内で起きていることが数字になって表れてきます。
ただし、たった一回の数値だけですべてを判断することはできません。

その日の体調やここ最近食べているものでも数値は変動しますし、
採血の方法など、いろいろな要因によって影響を受けるのです。

とはいえ、せっかくの血液検査です。
愛犬の生活になにか見直すべき点がないか、振り返るよい機会ではないでしょうか。

たとえ結果に何も問題がなかったとしても、
愛犬が血液検査を受けたら数値をじっくりとながめてみましょう。


比較的よく見かける数値だけでも頭に入れておくと、
いざというときに異変を早めに察知できるかもしれません。

腎臓の機能を表す項目

BUN(尿素窒素)
BUNは腎臓からのみ排出される物質のため、その数値は腎臓の状態を表しています。
数値が正常範囲を超えていたら、腎臓機能の低下を疑いましょう。

しかし、単に食後すぐあとの血液検査でも数値が高くなることはありますし、
恒常的に高タンパクの食事が続いている場合も正常範囲を超えてしまいます。

また、抗生物質やステロイドの影響でも数値が上がることがあります。
Cre(クレアチニン)
Creも腎臓の状態を反映する数値です。
BUNに比べると食事内容の影響を受けにくいため、腎臓の機能をみる場合は、
この二つの項目を両方とも確認しなければいけません。

ただし、血液検査で腎臓機能の低下を判断しようとする場合、
大きな落とし穴があることを知っておいてください。

腎臓という臓器の厄介なところですが、
機能の75%以上に障害が起きないと、なかなか数値が変動しないのです。

そのせいで腎臓に関わる病気の早期発見がしにくく、
気づいたときにはかなり病気が進行していることがままあります。


こうなると、「じゃあ、どうやって早期発見すればいいの!?」
と絶望してしまいそうですが、方法はちゃんとあります。

それは、尿検査をすることなんですね。

つまり、なにか症状がでてから精密検査をするよりも、
やはり一年に一回は健康診断を受けさせることが、
確実に様々な病気の早期発見につながる
ことは間違いないわけです。

伝染病予防ワクチンの接種かフィラリア予防薬の開始時に、
あわせて健康診断してもらえば二度手間にもなりません。

ぜひ、愛犬の健康診断をしておきましょう。