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カーミングシグナルを勘違いされた犬は可哀想

この記事の目次

犬が賢い動物だということはあまりにも知られていることですが、
一緒に暮らしてみると想像以上の頭の良さに驚かされることは珍しくありません。

しかし、それゆえに大きな勘違いが生まれることがあります。

その原因は、人間には人間のコミュニケーションがあるように、
犬には犬のコミュニケーションのとり方があり、
そこにすれ違いが生じてしまう
からです。

犬が話を聞いていない?

犬がイタズラをしでかしたので、飼い主が叱ったとします。
犬の目を見て何がいけなかったのかを真剣に説明しているというのに、
当の犬はそっぽを向いて目を見ようともせず、しまいにはアクビまでした……。

これが対人間だったら、「お前!話しを聞いてないだろっ!!」
と怒り倍増になっても仕方がありません。

しかし、これが対犬となると話はまったく違ってきます。

この場合、犬は怒り狂っている飼い主に対し
「なんかよくわからないけど、私の方にはまったく敵意はありません。
そろそろ怒りをおさめてもらえないでしょうか?
怖いし緊張するしでもう耐えられません」

というような感情を抱いている可能性が高くなります。

こんなやる気のない態度なのに!?と思うかもしれませんが、
これこそまさしく犬にとっての感情の表し方なのです。

カーミングシグナルを知ろう

このように犬がなんらかの心理状態にあり、
それゆえに起こす行動のことを『カーミングシグナル』と呼びます。

直訳すると、落ち着かせるための合図、とでもいえばいいでしょうか。
要するに、相手に「今自分はこんな気持ちですよ」と伝えているわけです。

前述した例では、相手の目を見ないのは
その相手に対して敵意がないことを示しています。


そしてアクビをするのは相手に対して
「落ち着いてほしい、そろそろ怒りをおさめてほしい」とお願いしているのと同時に、
自分自身の緊張をやわらげようとしている行動
です。

コイツ話しを聞いてない!と思ったら大間違いで、
その逆に相手の怒りに恐れおののき、
そろそろ許してほしいと思っている緊張状態にある
わけですね。

それなのに、「話しをちゃんと聞きなさい!」などと
さらに怒りを倍増させてしまったら、その時犬はどんな気持ちになるでしょうか。

飼い主の側が犬の発信するサインを理解するべき

人と犬のコミュニケーションの方法が違うなら、犬の方が人間様にあわせろ!
という器の小さなことを言う飼い主をみかけることがありますが、
みっともないのでやめておきましょう。

人間の方が頭がいいからエライとか、そういう話ではありません。

犬に比べて人間は複雑怪奇なコミュニケーションをとる生き物ですから、
人間以外の動物にこれを理解して合わせろ!
と強要すること自体がナンセンス
なのです。

犬の気持ちをより正しく理解できたら、
犬のいる生活がもっと楽しくなることは間違いありませんよ!