はじめに 犬は、あなたにとってどんな存在ですか?

もしもそう聞かれたら、「家族です」と答える飼い主さんが多いのかもしれません。
ところで、「犬が家族である」とは、どのようなことをいうのでしょうか?

人間と同じ空間で暮らし、人間につけるような名前で呼ばれ、
人間と同じ生活サイクルで1日を過ごす……。
もちろん、食べ物も例外ではないでしょう。

ヒューマングレード——
人間が食べられる品質の素材のみで作られたドッグフードは、いまや珍しくなくなりました。

では、このように限りなく人間と同じような生活をさせることが、
犬を家族として扱うことになるのでしょうか?

答えはYESであり、同時にNOなのかもしれません。

犬は犬であって、人ではない

じゃれあう犬たち

昭和中期の頃に比べると、
現代の犬たちの寿命は2倍どころか3〜4倍以上長くなりました。
それは、ひとえに犬の生活環境が改善されたからです。

室内飼育、栄養バランスの整った食事、進化した動物医療などなど、
犬を早死にさせてしまう原因が、時代とともにどんどん取り除かれてきました。

これは、犬と人が快適に楽しく、
そして長く生活をするうえで喜ばしいことなのは間違いありません。

しかし一方で、犬が人間の暮らしに
しっかりと組み込まれたからこその弊害も生まれています。
それは、犬が犬であるという事実がぼやけてしまっていることです。

どんなに人間と同じような生活をしていても、犬は犬であって人間ではありません。
犬には犬独自の食性や行動パターンがあるのです。
ところが、そこをないがしろにしている飼い主さんは、残念ながら珍しくありません。

しかし、犬の性質を無視した食事は犬の内臓にダメージを与え、
犬の行動パターンを無視した接し方は、
犬の精神に大きな負担をかけることもある
のです。

重ねて言いますが、犬は犬という生き物であり、
どんなに人間と同じような暮らしをしていても、人間ではない
のです。
ここを勘違いして安易に人間扱いすることが、犬の幸せにはつながるとは思えません。

「犬を家畜やペットとしてではなく、家族の一員として扱いたい」

本気でそう願うなら、可愛い、楽しいだけでなく、
「犬」という生物についてもっと深く理解する必要があるのではないでしょうか。

そのうえで人と犬が快適に暮らしていくことが、
真に犬を家族の一員として扱うことになるのかもしれません。

ひょっとして、こんなことをしていませんか?

たとえば、なにか愛犬がいけないことをしようとしたので「ダメ!」と声をかけたとき。
素直に愛犬があなたの言うことを聞いてイタズラをやめてくれたので、
「いいこだね」と褒めたことはありませんか?

健康な体は良い骨格から――。
そんな思いから、成長期の子犬のドッグフードに
カルシウムのサプリメントを混ぜたことはありませんか?

このような事例は、犬のことを大切にしているようでいて、
残念ながらその実は犬の体や心に大きな負担をかけてしまう危険性が高い
のです。

それはいったいなぜなのでしょうか?

このように、多くの飼い主さんが陥ってしまうありがちな失敗についても、
このサイトではどんどん解説していきたいと思います。

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