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犬のウンチについて考えたい!良いウンチとは?

この記事の目次

犬のウンチは健康のバロメータ――。
などと、今さら言う必要がないぐらい、当たり前のことですよね。
下痢や血便をしたら、確実にお腹の中で何かが起きています。
また、明らかに悪臭のするウンチも、腸の調子が悪いことを示していますよね。

では逆に、良いウンチとはどのような状態のものを指すのでしょうか?

片付けやすいウンチが良いウンチ?

犬がウンチをした後、処理しやすいウンチってありますよね。
コロコロしていて、ウンチを取り除いたあともペットシーツにはウンチの跡がつかない固さのもの。
こういうウンチは片付けが本当に楽!
でも、このウンチは犬の健康面から考えた場合、本当にベストなウンチなのでしょうか?

確かに、ペットシーツに少しもウンチが付着しなければ、処理しやすいのは間違いありません。
でも、ひょっとしてこれでは固すぎる、ということはないのでしょうか。

ウンチを構成するもの

そもそも、ウンチとはいったいなんなのでしょうか。
――そんなの、食べたのに消化できなかったものの塊じゃないの?
という声が聞こえてきそうですが、ウンチを構成する中身はそんなに単純なものではありません。

健康な状態のウンチなら、その60~70%は水分
この水分量がこれより多くなると軟便に傾き、少ないとカチカチウンチになっていくわけです。

さて、問題は水分以外を占める30~40%の部分。
ここには食べたけれど消化しきれなかったものと、食べたけれどそもそも消化ができないもの――犬の胃腸が消化することのできない状態の穀物や、食物繊維など――が含まれています。
さらには死滅してしまった腸内細菌、古くなって体外に排出された腸壁の細胞など、これらが全部あわさってウンチを構成しています。
ウンチと一言で片付けてしまうには惜しいぐらい、実はけっこう奥が深い組成をしているんですよね。

ちなみに、穀物がすべて消化できないわけではありません。
α化されている穀物(でんぷんが分解しやすい状態になっているもの)は犬の胃腸でもおおむね消化することができます。

犬の腸を健康に保つために必要なもの

腸が健康であれば、食べたものをきちんと消化し、栄養を吸収することができますよね。
では、もしも食べたものが100%腸から吸収されるような食べ物があるとしたら、それは犬にとって最適な食べ物なのでしょうか。
おそらく、その答えはノーです。

なぜなら、腸の健康を保つうえで腸内細菌は絶対に欠かすことができないからです。
腸内細菌の中でも、いわゆる善玉菌にカテゴライズされる菌が繁殖するために必要な食べ物は食物繊維。
そして犬の胃腸は食物繊維をほとんど消化することができません。
すなわち、食べたものが100%吸収される食べ物があるとしても、それでは犬の腸内を健康に保つことができないことになるんです。

ちなみに悪玉菌が喜ぶ食べ物は肉類などの動物性たんぱく質。
そして犬が消化を得意としているのも動物性たんぱく質。
しかし、動物性たんぱく質だけを食べていたら、犬の腸内では悪玉菌が優勢となり、腸の健康が失われていく、というわけです。

良いウンチかどうかの判断は総合的に

プレミアムフードを与えるようになったらウンチの量が減った――。
この場合、ウンチの量が減ったことだけで良いウンチをするようになったと評価するのは早計なのかもしれません。
犬の胃腸が消化を苦手としている安価な穀物が大量に含まれているドッグフードから、原材料を厳選したプレミアムフードに変更したら、ウンチの量が減るのはある意味当たり前のことなんです。

大切なのはさらにもう一歩突っ込んだところにあるのではないでしょうか。
ウンチの量が減ったのはいいとして、ではその硬さ(水分量)は?
ウンチのニオイは?
ウンチをする際に犬はスムーズに排便できていますか?(いきみ過ぎていませんか?)
こういったことをトータルに考えたうえで良いウンチをするようになったと評価できるなら、犬の食事は適正なものであり、腸内は健康に保たれていると判断できるのではないでしょうか。