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犬の鼻血は緊急事態の可能性アリ

この記事の目次

もしも愛犬が鼻血を出しているのを発見したら……。
四の五の言わずに、急いでかかりつけの動物病院へ連れていきましょう
なぜなら人間と違い、犬は滅多に鼻血なんて出さないはずの生き物だからです。
犬の鼻血は体のどこかに異変が起きているサインと考えて間違いありません。

人間の鼻血と同じ感覚で考えてはダメ!

私たち人間は、誰しも鼻血を出した経験が1度や2度はありますよね。
別に殴りあいのケンカをしたわけでもなければ、どこかに顔面を強打したわけでもないのに鼻血がでることも珍しくありません。

しかし、犬の場合は違います。
犬が鼻血を出していたら、それは必ずなんらかの異変が起きている兆候なんです。

犬は鼻の穴を指でほじったりしませんし、鼻を強くかみすぎた、なんてこともありませんから、当然といえば当然ですよね。
猫は鼻の形状から多少鼻血が出やすい種類もいるそうですが、犬に関して言うなら、通常はほとんど鼻血なんて出さないはずなんです。

そんな犬が鼻血を出しているとしたら、その原因には何が考えられるでしょうか。

異物が入ったことによるもの

鼻の中に草の種や虫など、なにか異物が入ったことで鼻の中の粘膜に傷がついて出血することがあります。

クシャミなどで自然に異物が出てくれればいいのですが、鼻の奥にいつまでも居座られてしまった場合、出血がなかなか止まらないばかりか、腫れや膿などの原因になることも。

鼻の穴の奥に何か異物が見えたとしたら、なんとか取り出してあげたいと思うかもしれません。
しかし、飼い主が取り出そうとしても、かえって奥に押し込んでしまうことになったら厄介です。
必ず、動物病院で処置してもらいましょう

歯周病による鼻血

意外に思われるかもしれませんが、歯周病が原因で鼻血をだすことがあります。
歯肉の炎症が上あごの奥から鼻の中にまで広がってしまい、そこから出血した可能性があるからです。

鼻の中にまで炎症が広がるぐらい歯周病がひどくなっているということは、口の中の状態も最悪のはず。
すぐに歯周病の治療を始めないと、最悪は多臓器不全に陥るかもしれません

腫瘍ができている可能性

犬の鼻の中にできる腫瘍は、命にかかわるものばかりです。
扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)、悪性リンパ腫、繊維肉腫など、字を見ただけで背筋がゾっとするような腫瘍の可能性があるんです。

こういった腫瘍が鼻の中にできていると、長い期間少量の鼻血が出ていることが多いのですが、出血量が少ないがゆえに犬が自分でなめとってしまうことも
顔面が腫れたり呼吸がおかしくなってから初めて飼い主が気づくこともあり、とても厄介なのです。

感染症を起こしているかもしれない

ウィルスや細菌、真菌(カビ)などが原因で鼻の中が感染症を起こしている場合にも鼻血を出すことがあります。
この場合の鼻血は赤い血が出るというより、膿と血の混ざったドロリとした状態のものが出ることがほとんど。
鼻の中で感染症を起こした原因を突き止める必要がありますが、いずれにしても抗生物質での治療が必要になるため、早期の治療開始が必要です。

血液の病気によるもの

血液が固まりにくくなる病気の症状として、鼻血はよく見られるものです。
白血病などが原因による血小板減少症血液を固めるための因子が減少してしまう血友病血液を固める機能そのものが低下してしまうフォンウィルブランド病(遺伝性血小板機能減退症)などが原因の場合は、鼻血のほかにも、様々な部位での出血がみられるようになります。

犬が鼻血を出したら

もしも愛犬が鼻血を出しているのを見つけたら、まずは外的な要因がないかをチェックします。
顔面を強打した形跡はないか、散歩コースに原因はないか、化学薬品をなめていないかなどを確認したら、急いでかかりつけの動物病院へ向かってください。

もしも出血量が多くて鼻血がなかなか止まらなくても、鼻の穴にティッシュやガーゼ、コットンなどを詰めることは絶対NGです。
鼻の中の異物を押し込んでしまうかもしれませんし、粘膜に余計な刺激を与えてしまうからです。

それより、清潔なガーゼやタオルなどで鼻を軽くおさえる程度にしてください。
間違っても、鼻血が出ているのが珍しいからといって、写真を撮ったり動画撮影を優先させるのはやめておきましょう
仮に鼻血が出ている犬の顔がおもしろくても、もしもその原因が命にかかわるものだったら――?
くどいようですが、犬の鼻血はほんの少しもおもしろがるべきものではないんです。