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腹の上に座るミニチュアシュナウザー2号

この記事の目次

ミニチュアシュナウザー1号が旅立って以降、すっかりしょぼくれていた2号。半年近くが経ったいま、ようやく「もう大丈夫」と安心できるところまで回復したように思います。

メタボなお腹の上に座るシュナ2号

ここ最近、筆者の手がミックス犬の介護にかかりきりになってしまうこともあり、家人はなるべくシュナ2号のフォローにまわるよう気をつけているそうです。

時間を見つけて外へ連れ出すのはもちろんのこと、家の中にいても声をかけたり遊んだりと、なにくれとなくかまうようにしているのだとか。もともと末っ子のシュナ2号に甘いところのあった家人です。

仲間ロスで落ち込んでしまったシュナ2号のケアに頑張っている様子は、本当にありがたいものでした。

そんな、ある休日のこと。

家人はポカポカと日当たりの良い部屋に寝転んで読書をしていました。食事ができたと呼びに行くと、なんとシュナ2号が家人のお腹の上に座っているではありませんか。

――犬が寝ている飼い主のお腹の上に上がることなんて、別に珍しいことでもないんじゃない?シツケ的にはよくないって聞くし。

そんな声が聞こえてきそうですが、シツケに関することはちょっと置いておくとして。筆者が驚いたのは、「よく、あんな安定感の悪い場所に器用に座っていられるな」という点でした。

というのも、家人のお腹はいわゆる典型的なメタボのそれ。しかも、ちょっとしたビール腹程度のレベルではなく、腹以外をすべて隠せば臨月間近の妊婦さんと間違われそうな出具合です。

そんな腹の頂点にシュナ2号は妙に姿勢よくお座りをしていたんですね。家人が動いても見事にバランスをとり、ユラユラしながら真顔でひたすら座っているのです。

「なに、その状況?」

思わずたずねた私に「甘えたいんじゃない?」と家人は笑っていましたが、なにか違うような……。

単に遊んでいるだけだった!?

その後も家人が寝転がると、シュナ2号は「待ってました」とばかりに家人のお腹にのぼって座るようになりました。

ところがある日、お腹に座るまではいつも通りだが、ここ最近はやたらと振り返るようになったと家人が不思議がっていたのです。寂しいのかと思った家人はお腹から下ろして抱き寄せたそうですが、「違う」と言わんばかりに腕から抜け出ると、再びお腹にデンと座り込んだのだとか。

も、もしや……?

「ちょっと試しにお腹を揺らしてみてほしいんだけど」

私の言葉で家人がお腹をゆすってみたところ、シュナはお座りの姿勢のままバランスをとり、落ちないよう必死にこらえています。しかも、その目がキラキラと輝いているではありませんか。

これは、もしや……!

そう、シュナ2号は安定感が抜群に悪い家人のメタボ腹にあえて座り、落ちないようにバランスをとって遊んでいたんですね。ありとあらゆる人から痩せろと言われる家人の突き出たお腹に、まさかこのような利用方法があったとは!

さすがの家人も気づいたようです。「なんだか複雑な気分ではあるけれど、シュナ2号が楽しそうなのでバランスボール係を継続する」とのことでした。

シツケとして良いか悪いかは日頃のメリハリ次第

飼い主の体の上に犬が勝手に乗ってきたら、それは主従関係が崩れている証拠だ――そういう論調があることは承知しています。

もしも野生において下位の犬が上位の犬の体の上に乗ったとしたら、マウント行為とみなされてボコボコにされてもおかしくありません。だからこその、シツケに良くないという考え方につながるわけですが……。

人間社会の中で家族の一員として犬が暮らすとき、主従の関係を示す行動が必ずしも野生の犬とは一致しない――これが私の持論です。

シュナ2号は「下りろ」と命じればすぐに下りますし、「部屋から出なさい」と命じれば即座に従う犬。要は、普段の生活においてきちんと主従関係ができているかどうかが重要であり、それをきちんと踏まえたうえでなら、アソビの部分があってもいいと思うのです。