ドーベルマンは初心者が安易に飼ってよい犬ではない

ドーベルマンは、かなり誤解の多い犬種です。
その誤解のせいで「人を噛んだ」という事件が起こるのだとしたら、
とても残念なことではないでしょうか。
ドーベルマンは獰猛な犬?

筋肉質な体とシャープな顔立ちから、見るからに威圧感のある犬種です。
そのため、犬が苦手な人ではなくても、
見ず知らずのドーベルマンにいきなり近寄れる人はそう多くはないでしょう。
ノーリードのドーベルマンが通行人を噛んだという事件も時々聞かれますし、
映画やドラマでも怖いイメージの犬として描かれることが多いようです。
その結果、ドーベルマンは獰猛で怖い、
というイメージがかなり定着したのかもしれません。
さて、その真偽についてですが、
「きちんとトレーニングの入ったドーベルマンは決して獰猛ではないが、
そうではない場合獰猛になりうる」というのが正解ではないでしょうか。
つまり、ドーベルマンを獰猛にしてしまうか、
それとも訓練性能抜群の素晴らしい犬種にするかは、
ひとえに飼い主の意識次第なのです。
ドーベルマンの性格は?

見た目の怖さからは想像ができないほど、
ドーベルマンは甘えん坊で可愛い性格をしています。
ただし、その点だけを安易に強調した
ドーベルマンの説明がされているサイトを見かけることがありますが、
それにウカウカと乗っかってはいけません。
甘えたがりで飼い主が大好きで訓練性能が抜群
という部分だけをクローズアップしてしまうと、
まるで初心者でもOKというイメージを抱いてしまいますが、
ドーベルマンはそんなに簡単な犬ではないのです。
訓練性能が良いのは間違いありませんが、同時にとても警戒心が強く、
自分や飼い主を守ろうとする意識が高くなるように改良されてきた犬です。
普段はおとなしいはずだったのに、何かのきっかけで人を噛んでしまった場合、
もしかしたらドーベルマンとしては何らかの危機を感じていたのかもしれません。
しかし、どんな事情があろうとも人を噛んでしまった瞬間から、
そのドーベルマンは凶暴な犬だという烙印を押されてしまうことになるでしょう。
つまり、飼い主にはどんなに突発的な状況になろうとも、
ドーベルマンをコントロールする力量が必要になるわけです。
これは、はっきり言えば犬を飼う初心者にはかなり難しいことではないでしょうか。
ドーベルマンの毛色

代表的なものはブラックですが、ブラウンも認められています。
ところが、どうしても人間は珍しいものを見せびらかしたい衝動にでもかられるのか、
ブルーやイザベラという色を求める人もいます。
しかし、ドーベルマンの毛色において
ブルーやイザベラは好ましいとはされておらず、
それには少なからず理由があるのです。
ブルーやイザベラは毛色を黒くするはずの因子がある
特定の遺伝子によって弱められた結果であり、
それは時として劣性遺伝による問題を表面に引きずり出してしまうことがあるのです。
皮膚が弱くなりやすいという問題だけではない、
もっと深刻な状況になることもありますから、
安易に珍しい色を欲しがるような人はドーベルマンを飼ってはいけません。
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