MENU

犬が土や小石を食べてしまうのはなぜ?

この記事の目次

愛犬が土や小石を食べているのを見つけたら、ぎょっとしますよね。
当然のことながら、やめさせようとするのではないでしょうか。
ところが、やめさせても、やめさせても、中には石や土などを食べ続けてしまうワンちゃんがいます。
犬が土や小石などの異物を食べしまうのはなぜでしょうか。

小石や土を口に入れる原因が問題のないケース

犬は人間のように手を使うことができません。
つまり、人間が手を使うような場面で犬は口を使うわけです。
その結果、誤って小石や土などを飲み込んでしまうことは珍しいことではありません。
こういう、たまたま何かをくわえた拍子に小石や土などを飲み込んでしまった場合、たいていは便に混ざって排出されます。

子犬の場合は乳歯から永久歯に生え変わる時期(生後4ヶ月~8ヶ月)に、歯茎のむずがゆさから固いものを噛みたがる傾向にあります。
さらには、好奇心旺盛な時期ということもあり、それが何なのかを確かめるために口に入れることも。
また、小石や土を口に入れたのは単なる二次的な理由であり、本当はその下や周辺の土に何か気になるものがあるのかもしれません。

いずれにしろ、これらは犬として自然な行為。
問題があるとは思えません。
私たち人間の感覚では小石や土を口に入れたり、地面をなめることは不潔と判断しますが、犬にとってはごく当たり前のことなのです。

ただし、飲み込んだものの大きさや量によっては胃腸のどこかに詰まってしまうことも。
そのため、口に入れる理由そのものには問題がないにしても、やはり見つけたらやめさせるべきでしょう。
飲み込んだものの量や大きさによっては、病院で取り出す処置が必要になることもあります。

小石や土を口に入れる原因に問題があるケース

食べ物ではないものを口に入れてしまうのは、犬の生態を考えれば何も不自然なことではありません。
しかし、今までは小石や土を食べるといった行為をしなかったのに、突然食べたがるようになった場合は、体調に異変をきたしている可能性があります。
病的な意味で食べ物ではないものを食べようとする状態を異食症といい、食べる対象は小石や土に限りません。
プラスチックや金属、ビニールなど、飲み込んでしまうと危険なものも含めて食べ物ではないものを食べてしまいます。

考えられる原因としては

  • 寄生虫
  • 精神的なストレス
  • 甲状腺疾患
  • 糖尿病

このように精神的な理由から寄生虫や疾患と、考えられる原因は一つではありません。
いずれにしろ、放置すれば大変な事態をまねく可能性がありますので、早めに動物病院を受診して原因を突き止める必要があります。

ミネラルが不足している可能性

犬が小石や土を食べる理由として、ミネラルが不足している可能性も考えられます。
食事の塩分が足りていない犬が飼い主の体をやたらとなめたがるように、なんらかのミネラルが足りない場合、それを補うために土や砂などを口にしたがっているのかもしれません。

総合栄養食のドッグフードを与えているので、そういう理由は考えにくいと思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、疾患や体質など、なんらかの原因によって摂取している食べ物からミネラルが吸収できていない可能性も。
この場合は、まずは血液検査を実施して肝臓や腎臓の状態を確認するとともに、鉄分やナトリウムなどの数値が正常であるかを調べる必要があります。

家の中も外も、犬が飲み込んだら危険なものがいっぱい!

石などの異物を食べる理由はなんにせよ、自然な排出が期待できない場合、内視鏡や外科手術によって取り出さなければなりません。
ところが、飲み込んだ異物によってはレントゲンに写るものと写らないものがあり、その結果異物を飲み込んでいること自体に気づくのが遅れてしまうことも。
石や金属、固いプラスチックは容易にレントゲンに写りますが、紙やビニール、布などは写らないと考えたほうがよいでしょう。
異物の誤食が愛犬の命をおびやかすことがないように、散歩をしたり遊ばせたりする際には、飲み込んだら危険なものがないか愛犬から目をはなすべきではありません。

では、家の中なら安全なのかといえば、残念なことにそうとは言い切れないんですよね。
試しに、愛犬が自由にしている部屋の中を見回してみてください。
犬が飲み込んだら危険なものが無造作に置かれていませんか?