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心疾患の診断がされたら、体重を落とさせてはいけない

この記事の目次

今までずっと元気いっぱいに過ごしてきたのに、
ある日突然「心臓に雑音がありますね」と診断されたら、かなりショックですよね。

しかしこの心雑音ですが、小型犬のシニア世代なら半数近く、
中・大型犬なら七割にのぼる
といわれるほど、身近な疾患の一つです。

心雑音がみとめられたら…

小型犬、中型犬の場合は僧房便閉鎖不全症が多く、大型犬は拡張型心筋症が多いのだとか。

いずれにしても後天的に発症したものであり、先天性の奇形などではありません。
犬の体が老化したことの表れと捉えれば、わかりやすいのではないでしょうか。

しかしいくらそう説明されたところで、
いざ愛犬がそうなってみたらどうしても不安でいっぱいになりますよね。

そして、「今からでも遅くない!心臓の負担を減らすためにも、体重を落とさなければ!」
と思ってしまうことがあるようですが、実はこれは大間違い。

心疾患の犬は全身にしっかりと血液が行き渡らなくなるため、
倦怠感や疲労と日々闘わなければいけません。

さらには投薬による食欲不振なども重なって、体はカロリー不足に陥りやすくなるのです。

ここで心臓に問題のない犬だったら、脂肪を分解してエネルギーに変えるわけですが、
心疾患のある犬は炎症性サイトカインという物質の影響で
脂肪ではなく筋肉を分解してエネルギーに変えてしまうのです。

そして体重は減少し、体はどんどん痩せ細っていく……。

そうなんです。
心臓に疾患が認められた犬は、意外にも体重を落としてはいけないんです。

心臓を長持ちさせるために

上記のようなことをきちんと説明してくれる獣医さんであればいいのですが、
残念ながらそうでない場合もあります。

そして飼い主も「太っていると心臓に負担がかかる」という思い込みから、
獣医さんに相談することもなく体重を落とさせようとする……。

知らないこととはいえ、考えると怖いことですよね。
残念ながら愛犬が心臓病になってしまったら、飼い主としてできることはひたすら
「心臓を大事にして長持ちさせる」ための努力しかありません。

愛犬の心臓を長持ちさせるために飼い主ができること
  • きちんと定期的に動物病院で診察してもらい、投薬によって体調をコントロールしていく。
  • 無駄に興奮させたり、考えなしに運動をさせて心臓に負担がかからないように注意する。
  • 栄養バランスの整った食事により、適正なカロリーを摂取させることで体重を維持させていく。

心臓病になったからといって悲嘆にくれているより、
愛犬の体調をきちんと管理しながら、
毎日をいかに楽しくゆったりと過ごせるか
を考えましょう。

症状が重くなる前に対処を始めれば、
一生涯「本当に心臓が悪いの?」と思うぐらい、
普通に過ごすことだって不可能ではありません。

心臓に問題があろうがなかろうが、肥満はそもそも論外。
しかし心臓に疾患が認められてから痩せさせるなどという、
愚挙だけはしないように
あらかじめ知識を蓄えておくことも大切です。