北海道犬(アイヌ犬)は初心者には無理
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通信会社のCMですっかりメジャーになった北海道犬は、
今でこそ落ち着きましたが、数年前にはやたらと欲しがる人が増えてしまいました。
それも人気があるのは白毛ばかりなのですから、
本当の意味で北海道犬の良さが理解されて人気が出たわけではありません。
北海道犬(アイヌ犬)は強い野生を残した犬
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CMで人気が出る前、北海道犬は衰退の一途をたどっていました。
それは、猟犬としては群を抜いて優秀な犬であることは間違いなくても、
家庭の犬としては気性が強すぎたからです。
誰にでも懐かないのはもちろんのこと、飼い主である家長の言うことは聞いても、
その妻や子どもには簡単になびかないこともあり、一筋縄ではいかない犬なのです。
現代の日本においてはそんな性質の犬種が喜ばれるわけがありません。
それなのに、CMの効果でお父さん犬のイメージを持ってしまい、
安易に飼った人の北海道犬が現在どうなっているのかを考えると、
正直ゾっとするものがあります。
みんなで仲良く遊ばせたい――は、無理
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愛犬家の中には、ドッグランなどで
不特定多数のワンちゃんとワイワイ遊ばせたい人や、
自分の犬を生まれ元である母犬や父犬、
それから兄弟姉妹犬と会わせたがる人が少なからずいます。
それは決して悪いことではありません。
犬種によってはそういうことが難なくできますから、
望み通り楽しく過ごさせることも夢ではないでしょう。
ただし、北海道犬には無理です。
基本的には知らない犬(子犬の頃に別れた肉親犬も含む)を
近くに寄せる性格ではありませんし、
強すぎる気性と抜群の身体能力は、
時として相手の犬を噛んで大怪我をさせてしまうこともあるのです。
人間の感覚だけで「こうすれば喜ぶはず」というのは、
犬にとっては迷惑以外の何ものでもないことがあります。
ところがどういうわけか、初めて犬を飼う人に限って北海道犬を選んでしまい、
フレンドリーな生活を夢見てしまうのは悪い冗談としか言いようがありません。
お父さん犬のイメージだけで北海道犬を選ぶのは、大間違いなのです。
コマンドに従ってCM撮影という過酷な現場を乗り切るあの白い犬は、
はっきり言えば例外中の例外であり、
本来の北海道犬の気質とは離れたことをこなしています。
実は撮影現場でも周囲はかなり犬に気を使っていたそうですし、
じっとしていられる北海道犬と、走ることが得意な北海道犬の
2匹で1役をこなしていたそうですから、幻想と現実を一緒くたにしてはいけません。
それでも北海道犬を飼いたいなら…
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しかし、北海道犬の本来の気質を知れば知るほど、
犬好きにとってはそれが魅力的に映ることもまた事実なのでしょう。
素晴らしい身体能力とずば抜けた知能は、
実は日本犬の中では飛びぬけているとさえ言われています。
しかし、クマと対峙してもひるまない強い気性の持ち主であることを
どんな時も絶対に忘れてはいけないのです。
こういったことをすべて理解したうえで、それでも北海道犬を飼うのであれば、
時には力で犬をねじ伏せなければいけないこと、
きれいごとでは済まされない主従関係を見せつけるだけの気概を持ち続けなければ、
北海道犬の能力を引き出してやることはできないでしょう。
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