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シニアにさしかかった頃から犬が食べ好みを始めたら

この記事の目次

――うちの犬、最近ドッグフードを残します。でも好き嫌いを許したらいけないですよね?
ある飼い主さんから寄せられた相談です。

ワンちゃんは現在10歳で、今までは食べ好みをすることはなかったのだとか。
また、体調そのものには特に悪いところは見当たらないそうです。

さて、この状況をどう考えればいいのでしょうか。

今までの食生活は適正なものでしたか?

  • ドッグフードは総合栄養食・一般食の区別に関係なく、よく食べるものばかりを与えてきた。
  • 人間の食べ物をしょっちゅうおすそ分けしている。
  • ドッグフードを食べない時はジャーキーなどのオヤツを食事代わりにすることがある。

上記のような食生活を送ってきた犬の場合、今さらドッグフードを食べないからといって、
それが食べ好みなのかそうでないのかを判断することはできません。

しかし、今までに基本的な食事は総合栄養食のドッグフードを食べてきた犬が
突然好き嫌いをはじめたら、そこにはきっと理由があるはず。


単純に「好き嫌いはダメよ」と決めつけてしまう前に、
愛犬の体をしっかりとチェックしましょう。

もしかしたら、歯周病などで口内に問題があり、
歯やアゴの痛みでドッグフードを噛み砕くことが苦痛になっているのかもしれません。

ドライのままでは硬すぎるのかも?

ドライフードを噛むことに苦痛や疲労を感じているかもしれない。
そう判断したら、まずはフードを柔らかくすることから試してみましょう。

単純にお湯や水に浸せばドライのままより柔らかくなることは間違いありません。

もっと食べやすさを追求するなら、
フードプロセッサーなどで粉状に砕いてからお湯でふやかすと、
歯がなくても食べられるようになります。

お水よりお湯の方がニオイがたって犬の食欲を刺激しやすくなりますが、
熱湯はドッグフードに含まれる酵素の働きを台無しにしてしまいますので、
ぬるま湯程度が適温です。

また、少量のヤギミルクやチキンのゆで汁などを使うと、より食欲が増すでしょう。

加齢によって味覚や嗅覚が衰えているかもしれない

今まで食べ好みをしなかった犬が
シニアになって好き嫌いを始める理由の一つに、体の機能の衰えがあります。

味覚や嗅覚が鈍ったことで、今まではおいしく食べていた食事が
あまり食べたいと思えないのかもしれません。

こんな場合はニオイの強いヤギミルクやチーズ、肉の茹で汁などを少量混ぜるだけで、
食の喜びが復活する可能性があります。

また、唾液や胃液が減少することで若い頃のような食欲がわいてこない、
ということも考えられます。

フードをおかゆ状にするだけでもずいぶんと食べやすくなるでしょう。

シニア犬の飼い主は愛犬が食べ好みをはじめたら、
「体に何か変化が起きているかもしれない」という前提のもとで、
犬の様子を細かく観察してください。

それにより、これから先の愛犬にはどんな食事の形態が合っているのかがわかりますし、
場合によっては何か疾患の兆候を発見できることもあるのです。