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犬がフローリングや階段で滑ると良いことは一つもない

この記事の目次

かつての日本においては、番犬として
家の外で飼育されることが多かった犬ですが、
現代では家族の一員として室内で暮らすことも多くなりました。

それはなにも小型犬や西洋犬種に限ったことではありません。
日本犬だろうが雑種犬だろうが、
大きさや犬種を問わずにそのような傾向があるようです。

一昔前だったら欧米の映画やドラマの中でしか見ることができなかった、
大型犬が家の中を自由に歩き回る生活――。

それもいまや珍しい光景ではなくなりましたが、
欧米の家屋と違い、日本の住居では気をつけなければいけないことがあります。

日本の住宅は犬にとって滑りやすい

土足のまま家に入る習慣のある欧米の住宅と違い、
日本では通常の場合玄関で靴を脱ぎます。

建物様式そのものは西洋式であり、
畳敷きの部屋が一部屋もない家であっても、
玄関で靴をぬぐことはごく当たり前の習慣でしょう。

そのため、日本の住居における一般的な板張りの床
――すなわちフローリングの床はとても滑りやすくできているのです。

裸足やスリッパで歩き回ることが前提になっているため、
表面が硬くても問題ありません。

しかし、その家の中をハイヒールを履いたまま歩くと想像してみてください。
なんだかツルツル滑ってバランスがとれず、危ない感じがしませんか?
日本において室内で飼われている犬達は、まさしくそんな状況にあるのです。

玄関で靴をぬぐ習慣のない国の住宅の場合、
全面がカーペット敷きであったり、板張りでも
フローリングより材質が柔らかいため、
靴をはいたままの人間も爪が生えた足で歩き回る犬達も、
日本のフローリングに比べると格段に歩きやすくできています。

つまり、犬の飼い方については西洋化しましたが、
犬の足腰のための安全性が追いついていないわけです。

階段は特に危険

ただでさえスリップしやすいフローリングの床ですから、
階段が特に危ないことは言うまでもありません。

うちの子は階段の上り下りが上手だから心配ない、
などと楽観するのは大間違いです。

そもそも、滑らないように無意識に踏ん張って歩く、
その行為そのものが犬の足腰に負担をかけています。


これにより、股関節形成不全や膝蓋骨脱臼を悪化させてしまう子もいます。
仮に先天的にそういった要因を持っていたとしても、
生活環境次第では生涯何の症状も表れず、痛みとは無縁で暮らせたかもしれません。

それが家の床材が原因で症状を顕在化させてしまうのは、
あまりにも可哀想
だとは思いませんか?

加えて階段でスリップすることは、
落下による大怪我の可能性まであるため大変に危険です。

階段をツルツル滑りながら器用に上り下りする姿が可愛い!
たまに転げ落ちるドジなところも可愛い!などと言っている飼い主は、
危機感がなさ過ぎて愚かでしかありません。

フローリングの床にはペット専用のワックスを塗布して滑りにくくし、
階段には専用の滑り止めマットを敷くなどして対策をするべき
です。

それができないのであれば、犬が自由に階段を上り下りできないよう、
ゲートをつけておくなどした方がよい
でしょう。