犬のいる空間に涼しさは確保できていますか?
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基本的に犬は暑さに弱い生き物です。
それはなぜかと言えば、人間のように汗で体温を下げることができないからです。
では、犬はどうやって体温を下げているのでしょうか?
ハァハァには理由がある
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犬といえば舌をだしてハァハァする姿が思い浮かびますよね。
小型犬あたりだとその姿も可愛いものですが、
これが大型犬になるとハァハァしながら
ヨダレがダラダラ垂れたりして、うわっ!となることも。
しかし、このハァハァとヨダレが実は体温を下げるために重要なのです。
それなのに、犬のいる環境を涼しくする努力を怠ったあげく、
ヨダレが汚いなどと言っている飼い主は、その犬種を飼う資格がないも同然。
散歩や運動の後でもないのに犬がハァハァしてヨダレを垂らしていたら、
あきらかに暑い証拠ですから、
速やかに対処しないと犬が熱中症にかかってしまうかもしれません。
体温を下げるための工夫
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室内飼育であればエアコンを入れるなどして室温を調節することが大切ですが、
その他にも体温を下げるための工夫は必要です。
庭で飼育している犬が地面を掘りちらかすのはなぜだと思いますか?
何かを隠したいだとか、興味があるにおいがしたとか、
たんに掘りたい衝動にかられたとか、もちろん理由はひとつではありません。
しかし、犬は体温を下げるためにも地面を掘るのです。
日射で地面が熱くなっていても、掘ってみるとヒンヤリとした土がでてきますよね。
犬は暑いときにそのヒンヤリとした地面にお腹をくっつけて体温を下げようとするのです。
犬が庭を掘りちらかして困るという飼い主さんは、
犬のいる場所では充分な涼がとれていない可能性を考えてください。
地面を掘ったからと犬を叱る前に、犬のいる環境の見直しをしましょう。
飼い主にとっては庭がみっともなくなる腹立たしい行為であっても、
犬にとっては命の危険を防ごうとする、やむにやまれぬ行動なのかもしれません。
ひえひえマットは有効だが…
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お腹(鼠径部)を冷やすと体温が下がります。
それを利用しているのがいわゆる冷え冷えマットなどの類ですね。
ジェルであったりアルミであったりと、
犬の体の熱を瞬時に奪ってくれるこうした商品は有効なわけですが、
使う際には注意が必要です。
なんでもかじろうとする犬に使う場合、
ジェルタイプだと中身が漏れ出してしまう危険性があります。
かじる癖のある犬にはアルミタイプや大理石などを選ぶとよいのですが、
敷いたから即乗ってくれるかというと、これがなかなか上手くいきません。
元来犬はツルツルしたものの上を歩くことが苦手ですから、
滑りやすい素材の上に乗ること自体を嫌がることは珍しくないのです。
それでも無理矢理のせようとすると、かえって犬にストレスを与えることも。
どうしてもダメだったら無理強いせず、
エアコンのタイマーを利用するなどして上手に涼を確保してあげてください。
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