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犬をかまう時間は大切、でもかまわない時間も大切

この記事の目次

かまって、かまってと甘えてくる犬は可愛いですが、度を越してかまってもらいたがるのは困りものですよね。
犬の要求はときに際限なく、かまってと言われるに任せてかまっても、満足するどころかもっともっととなることもあります。
このかまってに対して、いったいどこまでかまえばいいのでしょうか?

犬はなぜかまってもらいたがるのか

飼い主にまったくかまってという素振りを見せず、いつも孤高の態度を貫く犬というのも、たぶん世の中には存在しています。
しかし、おそらくそれはかなりの少数派。
たいていの犬は飼い主に甘えたがり、かまってほしい生き物なんです。

それはひとえに犬が群れの生き物であり、寂しがりやだから。
そして、飼い主のことが大好きで仕方がないからです。

年がら年中かまってほしい犬と、年がら年中かまいたくて仕方がない飼い主という、需要と供給が見事にマッチした組み合わせもあるとは思いますが、それはそれで微妙な問題をはらんでいます。

と言うのも、人間社会の中で犬が本当の意味で幸せに暮らしていくためには、大好きな飼い主にかまってもらえる時間とかまってもらえない時間のメリハリをきちんとつけることがなによりも重要だからです。

かまってがエスカレートすると分離不安?

かまってもらえる時間とかまってもらえない時間のメリハリをどうしてつけなければいけないのか。
それは、かまってもらえることを当たり前にしてしまうと、かまってもらえないことが犬にとってストレスになるからです。

そのストレスは溜まりに溜まってやがては体調に悪影響を与え、さらには精神的にも不安定な状態にさせてしまうかもしれません。

それがひどくなれば恒常的な問題行動へとつながり、いわゆる分離不安の状態へと陥る可能性は充分に考えられます。
分離不安は心の病気ですから、犬にとって飼い主と離れている時間が苦痛以外のなにものでもなくなりますし、それによって引き起こされる問題行動は確実に飼い主を悩ませることになります。

愛犬が大切なら心を鬼にすることも必要

では、愛犬のかまってアピールに対し、飼い主はどう接すればいいのでしょうか。

ここではっきりさせておきたいのは、愛犬をかまうことは悪いことではない、ということです。
むしろ、思い切りかまって喜ばせてあげるべきです。

ただし、どんなに愛犬がかまってほしいとアピールしてきても、絶対にかまわない時間を作ることも同様に大切なんです。

愛犬がかまってほしいと甘えてくる姿はとても可愛いですから、今は忙しいと思いつつも、ついついかまってしまいがち。
しかし、かまっている暇がないときはどんなに甘えてきたとしても、絶対にかまわないことも必要なんです。

心を鬼にしてでもかまってアピールを完全に無視する。
これは、一見すると冷たいように思えても、間違いなく犬に対する愛情なんです。

愛犬がかまってほしがるから、かまう。
こんなことを続けていたら、いつでも犬が行動の主導を握っていることになります。

犬をかまうのは、リーダーであるあなたが「今はかまってあげられる」からかまうのであって、「今はかまってあげられない」なら、一切かまう必要はありません。
ここのメリハリをきちんとつけられるのは飼い主である人間だけであり、犬の側から自発的にそうしろと言ってもそれは無理なんです。

かまってほしいけど今はダメな時間だ、と愛犬に理解させることが大切で、=犬に寂しい思いをさせることではないのです。

適度な距離感が犬の心を守る

愛犬が可愛くて可愛くて仕方がないので、24時間いつでもくっついていたい!
その気持ちはわからなくもありませんが、それは確実に犬の心を蝕んでいくことになるでしょう。

百歩譲って、犬が天寿を全うするまでその状態を完璧に続けられるなら、それはそれでアリなのかもしれません。
しかし、人間が普通に社会生活を営んでいたら、それはまず不可能。
極端な話し、犬を置いて買い物にも行けなくなりますし、そのうちトイレの中まで犬を連れていかなければいけなくなるでしょう。

私にとって犬はこの世で一番大切な存在だから、それでもいい!と考える飼い主さんもいるかもしれません。
人間はそれでもいいかもしれませんが、犬にとってそんな生活は不幸でしかないんです。

犬は生き方を自分では選ばせてもらえません。
だからこそ、人間の中途半端な愛情で分離不安にさせられる犬は、とても不幸なのです。