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白毛の母犬は出産・授乳で毛が染まりやすい

この記事の目次

我が家にやってくる天使ちゃん(子犬)は、どんなところで育っているのですか――?
ブリーダーから直接子犬を迎える場合、飼い主が知りたがることの一つです。

もちろん、大切な家族の一員になる子犬が、
どんなところで生まれ育つのか知りたい
という気持ちは、あって当然のものでしょう。
しかし、知らない方がずっと夢を見ていられることもあるのです。

親犬を見たいという気持ちは理解できるが…

親犬がどんな犬なのか知りたい――。
そう思うのは悪いことではありません。

将来どんな犬に育つのかを知るためにも、親犬の情報は知っておくべきでしょう。
しかし、それはせいぜい写真を見るぐらいにとどめておいた方がよさそうです。

サモエドやグレートピレニーズのように、
体格が大きめで白い毛をした犬の場合は、なおさらそうだと言えるかもしれません。

なぜなら、白い毛はすぐに汚れて黄色や茶色に変色してしまうため、
母犬は出産前にバッサリと毛をカットされていることが多いからです。

サモエドやグレートピレニーズのような長毛の犬は、
本来の体つきより二回りぐらい毛で大きく見えているものです。

それがばっさりカットされていると、かなり体は貧弱に見えてしまいますし、
出産・授乳のために腹の周辺は変色していることが予想されます。


わかってはいても、実際に見てしまうとこれがなかなかみすぼらしいもので、
頭の中で想像していた母子の素敵な図とは
イメージがかけ離れてしまうことも珍しくありません。

理想を押し付けても無駄

犬図鑑に掲載されている写真も、ドッグショーで見かける姿も、
最高に美しく見えるように整えられたものです。

それを、ブリーディングを生業にしている犬舎に押し付けてみたところで意味はありません。

ところが無理を言って授乳中の様子を見たあげく
「あんな貧相な母犬の生んだ子犬なんていらない、キャンセルしたい!」
と大騒ぎになったケースがありました。

実際のところその母犬はサモエドのメスとしては大きい方だったのですが、
それでも豊かな毛が刈られていたため、ひょろりとして見えてしまったようです。

むしろ、毛がフサフサしていたら汚れがつきやすく、
子犬達の衛生管理上よくないと説明はしましたが、
おそらくサモエドの白毛を保つ苦労が理解できていなかったのでしょう。

飼ってから毛の手入れが面倒だと放棄されるより、
事前にキャンセルされてよかったケースなのかもしれませんが、
それでも割り切れない思いが残ったことは今でもよく憶えています。