青魚は栄養豊富な食材でも、食べさせすぎは病気のもと

イワシやサバ、アジなどの青魚には、「食べると健康に良い!」というイメージがありますよね。 もちろんそれはその通りであり、なにも間違ってはいません。
なんといっても青魚には必須脂肪酸の一種であるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。 これらの成分には血液をサラサラにし、動脈硬化を予防し、痴呆の予防にもなり、抗アレルギーや抗炎症作用も期待できるそうです。 なんて素晴らしい食材なのでしょうか。
だったら、愛犬のために使わない手はない!……と張り切って毎日のように食べさせていると、犬の体はどうなると思いますか? なんと、黄色脂肪症――イエローファットと呼ばれる病気にかかってしまうのです。
黄色脂肪症の症状

黄色脂肪症――別名イエローファットにかかると、その名の通り腹部や胸部の脂肪が白色から黄色へと変化していきます。 もちろん、ただ単に色が変わっただけではありません。 酸化した脂肪の性質自体が変化しているため、体に炎症が起きてしまうんです。
そんなことを言われても、脂肪なんて皮下にあるものだから、目に見えない。どうやって見つければいいの!? ――と思われるかもしれませんが、実はけっこう発見できてしまいます。
というのも、黄色脂肪症にかかった犬の腹部や胸部には、固いしこりのようなものができているからです。 しこりに気がついた飼い主さんが、「癌ではないか!?」とあわてて動物病院に駆け込んだ結果、黄色脂肪症だと診断されて、初めて青魚の食べさせすぎに気づくこともあるのだとか。 そんなまぎらわしいしこりではありますが、発熱や歩き方の異常がみられることもありますし、痛みのせいで抱き上げようとしても、不自然なまでに嫌がることも珍しくありません。
そこまでのわかりやすい症状がでる以前にも、おそらくは食欲が低下するなどの体調不良がみられていたはずなんです。 大きなしこりができるまで気づかなかった飼い主さんは、多少なりとも反省する必要があるのではないでしょうか。
体に良い食材も与えすぎれば毒

青魚のせいで、そんな恐ろしいことになるの!?と恐れおののいた結果、手作り食から青魚を完全に排除してしまう飼い主さんもいます。 犬は、ムリをしてまで青魚を食べなければいけないわけではありません。 犬という生き物の歴史を考えれば、青魚が常食になる生活は本来ありえないのですから。 端的に言ってしまえば、犬が青魚を食べなくても、なにも問題はありません。
とはいえ、青魚は時々食べればとても良い食材であることに間違いはないんです。 大切なのは「適量」であること。 これは、なにも青魚に限ったことではなく、どんな食材にもいえることなんですけどね!
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