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愛犬の大好物は、飼い主が作り出した幻影かもしれない

この記事の目次

愛犬の好物といえば、けっこう犬らしからぬ物が多かったりしますよね。
キュウリだったり、スイカの皮だったり……。
野菜スティックを美味しそうにポリポリ食べる犬なんて、全然珍しくありません。

ところでそんな犬達は、野菜スティックが大好きだから喜んで食べているのでしょうか?

犬は肉食獣寄りの雑食動物のはずが……

犬は人間ほど味覚が敏感ではありません。
その代わり、といってはなんですが、嗅覚が非情に発達した生き物です。

でも、キュウリやニンジン、生の瓜などの匂いが果たして犬にとって良い匂いなのでしょうか?
犬は雑食とはいえ、基本的には肉食獣に近い胃腸の持ち主。
肉や脂肪のニオイには本能的に「メシだ!」となるはずですが、生野菜に関して言うなら本来の反応は鈍いはず。
その証拠に、犬が生野菜をかじったところで、ほとんど消化されずに排出されてしまいます。

甘味のある果物ならまだわかります。
犬はかろうじて甘味は感じる生き物ですから、甘い味がするものは喜んで食べてしまうことでしょう。

ところが甘くないキュウリをあげてもぺろりとまるまる1本食べてしまったりしますよね。
それはいったいなぜなのでしょうか?

好きになるきっかけがあったはず

噛みごたえがいいから、というのも一つにはあるのかもしれません。
齧ると適度に歯ごたえがあり、さらには水分がとれるのです。
ヌイグルミを齧るより、犬としても楽しいのでしょう。
なにより飲み込んでも怒られませんし。

しかし、そもそもキュウリを喜ぶようになるきっかけがあったはずなのです。
たまたま犬がキュウリを口にする機会があり、それを飼い主が「キュウリなんて食べちゃうんだ!」と笑ったのかもしれません

そうなんです。
犬が犬らしからぬものを好んで食べるのは、たいていは飼い主の反応が良かったからなのです。
要するに、犬達は飼い主が喜ぶからそれらを喜んで食べてしまうわけですね。

それがいつの間にか習慣になった、ということではないでしょうか。
それほど、犬達は飼い主を喜ばせたい生き物なのです。

食べさせるものを選ぶのは飼い主の義務

本当は犬にはあまり食べさせないほうがいいものだけど、ウチの子が喜ぶから……。
という理由で食べさせている飼い主は、完全に間違っています。
犬達は体に悪いものでも飼い主が喜ぶから食べているだけなのです。

犬の好みを理由にした言い訳は、そろそろやめにしませんか?
どうせなら、犬の健康に役立つものをあげましょう。

たとえば、生のキュウリやニンジンをたくさん食べさせるぐらいなら、加熱したサツマイモやカボチャを少量あげたほうがずっといいはずです。
栄養が吸収しやすいだけでなく、食物繊維がお腹の調子を整えてくれますから、加熱の一手間を面倒がってはいけません。

犬は飼い主が選んだものしか口にすることができないのです。
だからこそ、犬の体を第一に考えた食べ物を選んであげてください。