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お手入れが楽なのと抜け毛が少ないのはイコールではない

この記事の目次

室内犬を飼いたいけど、抜け毛が多いのは嫌だからこの犬種にしました!
そう言ってスムースコートやダブルコートの犬を見せられてしまうと
返答に困ることがあります。

全体的に毛が短い――。
ビロードのような毛足と毛質をしている――。

このようなタイプの犬は、抜け毛が少ないと思われがちですが、実はまったく違います。

スムースコートは抜け毛が多い

犬種図鑑などを見ると、スムースコートの犬について
「短毛なのでお手入れは楽。被毛の手入れは最小限で充分です」
などと書かれているものがあります。

これはウソではありませんが、大きな勘違いがされることが多いので、
改めてはっきりと言いたいと思います。
スムースコートの犬種はびっくりするほど抜け毛が多いです!!

もちろん、ロングコートと違って毛と毛がからみあったり、
毛玉になることはありませんので、時々ブラッシングするぐらいのお手入れで充分です。

つまり、それが最小限の手入れで充分ということであり、
毛が抜けないから手入れが楽だ、という意味ではありません。

ここを勘違いしてしまうと、抜け毛の多さにうんざりすることになるでしょう。

ダブルコートの犬の抜け毛はすさまじい

スムースコートの抜け毛が多いと書きましたが、
それを上回る抜け毛といえばやはりダブルコートです。
それも北方犬種になればなるほど、抜け毛の量は増えることになります。

でも考えてみればそれも当然のことですよね。
北方犬種達の毛は極寒でも
屋外で過ごすことができるような仕様になっていますから、
綿のように密に生えたアンダーコートと上から覆うように生えるオーバーコートを、
気候に合わせて脱いだり着たりする
のです。

見た目のカッコ良さだけに惹かれてその犬種を選び、
飼った後で「抜け毛が多くてうんざり!」などと言うのは無知ゆえの失敗であり、
そんな飼い主に選ばれた犬が可哀想で仕方ありません。

シングルコートだって手入れが大切

抜け毛が嫌だからシングルコートの犬種を選んだとしても、
手入れをしなくてもいいわけではありません。

むしろパピヨンやヨークシャーテリアなど、
シルクのように柔らかい毛が長く伸びる犬種は、
こまめにコーミングやブラッシングをしておかないと
すぐに毛がもつれて毛玉になってしまいます。


ではイタリアングレイハウンドやボクサーのように、
毛が短くてツルっとした感触の犬なら楽かといえば、そうではありません。

当然のことながら、普通に毛は抜けるのです。
しかも、こういう短毛のシングルコートの場合、
生えてから抜け落ちるまでのサイクルがロングコートに比べて短いため、
実はけっこうパラパラと毛が落ちたりします。

犬は生きていますから、抜け毛のない犬なんていません。
チャイニーズクレステッドドッグのヘアレスでさえ、抜け毛がゼロではないのですから、
変な手抜きを考えるのはやめておきましょう。