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犬の踵はどこ?犬の足について知っておきたい

この記事の目次

愛犬の膝(ひざ)がどこにあるのかを、ぱっと指で指すことはできますか?
まあ、膝は比較的、膝っぽい曲がり方をするので、あまり難しくないかもしれません。
いわゆる腿の下にある、前に曲がる大きな関節が犬の「膝」です。
わかりにくい場合は、後ろ足二本だけで立たせてみれば一目瞭然ではないでしょうか。

では、犬の踵(かかと)がどこにあるかを、ぱっと指で指すことはできますか?
たぶん、いまあなたが指差した場所は踵ではありません。
そこは指の付け根であり、犬の踵は膝より下にある、膝とは逆に曲がっている関節の部分です。

犬は常につま先立ちで歩いている

私たち人間は歩くときに踵から指先までを地面につけますよね。
もちろんあえてつま先だけで歩くモデルっぽい人もいるとは思いますが、基本的な姿勢を考えると、足の裏を地面にぺたりと着けるのが人間のスタンダードです。
そして、こういう歩き方を蹠行性(せきこうせい)といいます。

これに対し、犬の足は常につま先立ち。
つまり、踵を一切地面に着けることなく歩いているんですね。
こういう歩き方のことを指行性(しこうせい)と呼びます。

犬とは関係ありませんが、馬や牛のようにヒヅメのある動物の歩き方は蹄行性(ていこうせい)。
このように、歩き方一つとっても、動物にはそれぞれ違いがあるのです。

犬の後ろ足はなぜつま先立ちになったのか

犬はもともとが肉食性の強い雑食動物です。
つまり、エサとなる動物を追いかけて捕まえなければいけない食性の生き物なんですね。
だからこそ、つま先立ちにはとても重要な意味があるんです。

つま先立ちのメリットは、なんといってもその柔軟性。
獲物を追いかけるために素早く方向転換をするためにも、時には忍び足で獲物に近づくためにも、つま先立ちは大いに役立つのです。
人間も抜き足差し足をする際にはつま先立ちになりますよね。

そしてつま先立ちをするもう一つの理由としては、足を少しでも長くするためではないかと考えられています。
足が長くなった分、より速く走ることができるというわけですね。

ちなみに肉食獣たちもみんなつま先立ちで生きています。

犬の前足も指だけで立っている

犬がつま先立ちをしているのは、なにも後ろ足だけではありません。
前足も、指だけで立っています。
私たちの手の感覚に置き換えた場合、人差し指、中指、薬指、小指の4本で立っていて、親指は使っていない感じといえばなんとなく想像できるでしょうか。

そして、犬の前足の親指にあたる指の上についている小さな肉球のような突起。
これは手根球(しゅこんきゅう)と呼ばれ、その内部には手根骨(しゅこんこつ)という骨が存在しています。

実は、この手根球の役割については、現在のところはっきりとしたことはまだ判明していないんですよね。
一説には犬がストレスを感じた際にこの手根球をなめるといわれていますが、リラックス効果のためだけにわざわざついているとも思えないし・・・。
いずれにしろ、これまで犬と暮らしてきた中で、この手根球が役に立っている場面を目撃したことはありません。

犬の肉球とはそもそも何だろう?

愛犬の足を触っていると、なんとなく肉球をもみたくなることってありますよね。
犬の肉球は、ざっくり言ってしまえば角質層が厚くなったものです。

とはいえ、ただの固い皮膚のみで出来上がっているわけではありません。
肉球の中身はコラーゲン線維、エラスチンなどの弾性線維、そして脂肪です。
こういった柔らかな中身のおかげで衝撃吸収がしやすくなっているんですね。

なかなか大したものだと感心していましたが、近年になってさらに肉球の秘密が解明されつつあります。
なんと犬の肉球はハニカム構造に似ていることがわかってきたんですね。
ハニカム構造とは正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造のことで、ある一方向から力が加わった際、その衝撃が他の面に分散して力が伝わっていく働きを持っています。
つまり、上手いこと衝撃が分散できる仕組みになっているんですね。
だからこそ、犬は長距離を走ることができるだけではなく、高いところから飛び降りたとしても、骨折しないで済むというわけです。

もちろん、高すぎるところからジャンプして着地し、その衝撃が肉球の限界を超えてしまえば足を痛めてしまいますので、間違っても愛犬に無理はさせないでくださいね。

犬の足は思ったより強く、思ったより脆い

犬の足は走ったりジャンプしたりするうえで、とても優秀な作りをしています。
そして、まさかのハニカム構造まで搭載しているのですから、思ったより強くできているんですよね。

しかし、だからといって飼い主が犬の足を過信すれば、それはすなわちケガにつながります。
焼けたアスファルトの上を歩けば犬の足は火傷をします。
ガレキの上を不用意に歩かせれば、肉球に傷がついたり爪を折ることになるでしょう。
無理なジャンプをさせれば足腰の関節を痛める原因になりますし、スリップして転倒したことで歩くことも立ち上がることもできなくなる重症を負う可能性もあります。

犬の足は間違いなく高性能。
しかし、ちょっとしたことで壊れてしまうかもしれない脆いものであることを、私たち飼い主はしっかりと知っておくべきです。