体に良い成分も過剰摂取すればただの毒
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大切な愛犬にはいつまでも健康で長生きをしてもらいたい――。
だからこそ手作り食を始めたのに、
「これで本当に栄養バランスは整っているのだろうか?」
と不安になることはありませんか?
食材はそれなりに選んでいるつもりでも、
もっと栄養を足した方がいいのではないかと心配になり、
サプリメントを積極的に追加している飼い主さんもいることでしょう。
ありがちなのはカルシウムの過剰摂取
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大型犬の子犬を飼ったから、強い骨格を作るために
子犬用のドッグフードにカルシウムサプリメントを追加しています!
……こういう話しはよく聞くのですが、
これ、はっきり言ってカルシウムの過剰摂取ですから、すぐにやめましょう。
骨の発育にはカルシウムが欠かせないのに、なんで!?と思いますよね。
そもそもカルシウムというのは体内で濃度が一定以上になると、
濃度を下げようとしてカルシトニンというホルモンが分泌されます。
このカルシトニンですが、なんとカルシウムの濃度を下げると同時に
骨や軟骨の発育を妨げてしまうんですね。
さらにカルシウムを過剰摂取すると、
必須ミネラルの鉄、リン、亜鉛、銅などの吸収まで妨げしまうため、
びっくりするほど体に悪影響があるんです。
子犬の骨格の成長のためにと思い、
せっせとカルシウムを与えていたら亜鉛欠乏症になり、
発育不良に加えて皮膚疾患や免疫異常、眼の疾患などを引き起こすかもしれません。
なんだか、考えるだけで怖くなりませんか?
不飽和脂肪酸の過剰摂取
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手作り食を作っていると、
良質の油脂を摂取させることの大切さに気づくと思います。
いわゆるオメガ3、オメガ6などのことですね。
オメガ6(べにばな油、ゴマ油など)は
被毛や皮膚の健康維持のために効果がありますが、
過剰摂取すれば皮膚炎の原因になったり、
アレルギーやアトピーを促進してしまうことになりかねません。
オメガ3(エゴマ油、亜麻仁油、シソ油など)には炎症を鎮めたり、
アレルギーやアトピーを抑える効果がありますから、
じゃあオメガ6は与えずにオメガ3だけをばんばん与えればいいじゃないか、
と考えてしまいそうですが、それもやはり違います。
いくら健康によいオメガ3であっても、過剰摂取すれば免疫系に影響を与えたり、
内臓疾患、心疾患、ガンなどの原因になる可能性が高いと現在指摘されつつあります。
要するに、どんなに体に良いものであっても、
あくまでも適量を守ることが大切なんですね。
要するにバランスが大事
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この成分は体にいいから、バンバン与えれば効果倍増!などという成分はありません。
すべてはバランスと適量が大切なのです。
前述したオメガ3と6だって、どちらか片方ではなく、
両方をバランスよく与えることで効果があがることを忘れてはいけないのです。
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