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未熟児は高く売れる極小サイズ

この記事の目次

一般の家庭で飼われている犬が子犬を生んだとします。
もし数匹生まれた中で1匹だけ未熟児が混ざっていたら、
その成長が心配で心配でたまらなくなると思いませんか?

もちろん、未熟児で生まれたからといって、
必ずしも虚弱であったり、何がしかの疾患があるとは限りません。

しかし、スクスクと成長し、無事に大きくなるまでは
心のどこかで不安が残るのではないでしょうか。

では、これが利益第一主義のブリーダーのところで
生まれたとしたら
どうなると思いますか?

まず間違いなく、「極小サイズ生まれました!」
と一番の高値をつけることになるでしょう。

欲しい人がいるから売る人がいる

日本の文化は可愛いものを好む傾向にあるといわれています。

そしてそれを証明するように、犬も小さくて可愛いものが好まれます。
プードルにしろチワワにしろ、小さければ小さいほど値段が高くつけられていますよね?

ティーカップに入るほど小さいからティーカッププードル、などというネーミングがされ、
それはいまやトイプードルと同じぐらい人々に浸透しています。

小さくてマスコットのように可愛い犬が欲しいと思う人がいる限り、
どんな手を使ってでも小さな犬を生み出して販売しようとするブリーダー
いなくなることはないでしょう。

滅茶苦茶なブリーディングをする悪徳ブリーダー、
という表現を見かけることがあります。

もちろんそれはその通りなのですが、欲しがる人がいる限り、
そのようなブリーディングを根絶やしにすることはできません。


「極小サイズの犬を生み出すことが、
そんな酷いことだとは思わなかった」という言い訳は、
犬好きを自負しているのなら、そろそろやめにしてほしいものですが、
そう簡単に消えることはないのでしょう。

突然死を経験して初めてわかること

極小サイズの犬が、ある日突然パタリと倒れたと思ったら、
すでに心臓が止まっていた――。

こんな悲しい出来事は、実はさほど珍しいことではありません。

おそらく心臓になにがしかの欠陥があり、
その結果体を大きく成長させられなかったから
未熟児として生まれてきたのでしょう。

そのことを理解したうえで育てているのと、
そんなことは夢にも思わずに育てていたのでは、
おそらく受けるショックの大きさは違います。

また、普段の生活の中で
気をつけてあげなければいけないことがあったはず
なのです。

ところが何も知らずにバンバン散歩をさせた結果、
心臓に過度の負荷がかかっていたとしたら、
突然心臓が止まってしまっても不思議はありません。

買いたい人がいるから売りたい人が現われる。
この法則は、自由経済の中ではどうすることもできません。
せめて行き過ぎている極小ブームが一日も早く消えてくれることを祈るばかりです。