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カルシウムの過剰摂取が骨の病気を招く

この記事の目次

カルシウムをしっかり摂らせて強い骨格を作りたい!
子犬を育て始めると、多くの飼い主さんが思うことの一つです。
特に大型犬の子犬を飼い始めると、余計に骨の発育が気になるのかもしれません。

その結果、子犬用のドッグフードにミルクをかけるのはもちろんのこと、
念には念を入れてカルシウムのサプリメントまで追加する……。

――これ、強い骨格を作るどころか、
正常な骨の発育を妨げてしまうかもしれません。

カルシウムの過剰摂取

骨の発育にカルシウムが欠かせないのは確かなのですが、
その必要量には上限があります。


そして上限を超えてカルシウムを摂取し続けると、
体内のカルシウム濃度を下げるために
甲状腺からカルシトニンというホルモンが分泌されます。

つまり、必要としているカルシウムの上限値を超えれば
カルシトニンも分泌され続けることになり、
その結果骨や軟骨の発育が妨げられてしまう
のです。

さらには甲状腺の機能障害を起こしたり、結石の原因になるだけでなく、
様々な神経系の機能にまで害を与えてしまうかもしれません。


強い骨格を作るためにカルシウムを過剰に摂取させた結果、
まともに歩くことすら困難な体にしてしまう可能性があるのです。

過ぎたるは及ばざるが如し――。
カルシウムの過剰摂取は、まさしくこの諺の通りなのです。

成長期のドッグフードの栄養バランス

では、子犬期にはどれだけカルシウムを摂取させればいいのでしょうか?
それを考える必要があるのは、
完全に手作りの食事のみで子犬を育てる場合だけです。

ドッグフードを食べさせているのなら、あれこれ思い悩む必要はありません。
なぜなら、子犬用のドッグフード(成長期、グロース)には、
成長期に必要なだけのカルシウムが含まれている
からです。

そこにあれこれ栄養素を追加することは、
その完全ともいえる栄養バランスを崩すことになりかねません。

「じゃあミルクもいけないの!?」
と思われるかもしれませんが、それは微妙に違います。

なぜなら、ミルクにはカルシウムの他に
タンパク質、脂肪、繊維、灰分、ナトリウム、リンなどなど、
その他の成分も含まれている
からです。

また、液体タイプであればそこにはかなりの割合の水分が加わっています。
しかし、サプリメントの場合は成分の含有量が多すぎるため、
ダイレクトにその成分値を上げてしまうのです。

とはいえ、骨格の強い犬に育てたいという気持ちはとても大切なものです。
それを実現させるためには安易にカルシウムのサプリメントに頼るのではなく、
子犬用のドッグフードをきちんと食べさせ、
さらには適度な日光のもとで運動をさせることが一番
です。