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犬と小動物を安易に共存させることは厳禁

この記事の目次

犬と小動物が仲良くしている動画は、なんともほっこりする光景だけに、何度も再生したくなりますよね。
しかし、一部の上手くいっている動画を観て「犬はおりこうだから小動物と仲良くできる!」などと判断してしまうのは早計
安易にまねをすれば悲劇をまねくこともあるのです。

重視するべきは安全性

犬と小動物が共存できるかできないかを、一概に判断することはできません。
なぜなら絶対にできないわけではないし、かといって簡単に考えていいわけでもないからです。

たとえば、熱帯魚と犬なら同じ部屋で飼育したとしても、なんの問題もありません。
犬がイタズラできる位置に水槽を置いてでもいない限り、犬はおそらく熱帯魚の水槽にさほどの興味を示さないからです。

しかし、ウサギや小鳥やフェレットなどの小動物になると話しは別。
なぜなら、こういった小動物や鳥は本来狩る対象の生き物だからです。
仮に飼っている犬の犬種が猟犬ではなかったとしても、犬の食性は肉食獣寄りの雑食
つまり、小動物は捕食対象になりうる存在なのです。

それを承知でどうしても犬と小動物を一緒に飼育したいなら、触れ合わないよう安全性に配慮するしかありません。
小動物を絶対にケージから出さないようにするだとか、犬にリードをつけて自由に動き回れないようにするだとか……。

「そういう共存ではなくて、一緒に仲良く遊べるような関係にしたい!」
もしもそう望むのであれば、これはもうある種の賭けに近い形で試すしかありません。
とはいえ、その場合は小動物がケガをしたり殺されてしまってから後悔しても遅いのだということを、重々肝に銘じておくべきです。
仮にギリギリセーフでケガをさせずに済んだとしても、小動物が受けるストレスはどれほど大きなものになるでしょうか。

さらには犬の本能に余計なスイッチを入れてしまう可能性もあります。
これまでは空を飛ぶ鳥に興味を示さなかった犬も、ギラギラと獲物を見るような目で見るようになってしまうかもしれません。

ウサギを見つけた北海道犬の反応

私が犬と小動物の共存に否定的なのは、かつてヒヤリとした経験をしているからです。
実家で飼っていた北海道犬は、本当に北海道犬なのかと思うほど穏やかな気質の犬でした。
ところがあるとき、飼っていたウサギを日光浴させようと思い、ケージに入れたまま庭に持ち出したところ、北海道犬に見つかってしまったんです。
と言っても柵ごしだったので直接的な被害はなかったのですが。

ふと見ると、いつもは穏やかな北海道犬がギラギラとした目でウサギを凝視しながら、小刻みに震えていました
まるでいますぐにでもとびかかって捕まえたいのをこらえているような姿に、ぎょっとしたことを憶えています。
もしも北海道犬とウサギの間に柵がなかったら……。
考えるだけで今でも背筋が寒くなります。

どうしても異種共存させたいなら

どうしても犬と別の動物を共存させたいなら、猫ならまだなんとかなるかもしれません。
なぜなら猫はとても強い生き物。
犬と猫がケンカになった場合、ほとんどの場合は猫が勝利するからです。

ただし、猫であれば犬にやられない可能性が高いとはいえ、絶対ではありません。
それに、反対に犬がケガをさせられる可能性が高くなることを覚悟する必要があります。
そして相性がよくなかった場合、犬と猫の双方ともに精神的なストレスが大きくなりますから、デメリットは計り知れないんですよね。

そう考えると、どうしても異種共存をさせたいなら猫がおすすめなのではなく、猫なら殺されたりケガをさせられたりする可能性が最小限におさえられるかもしれない、と表現するのが正しいのかもしれません。

思いつきで異種共存をさせてはいけない

犬を飼ってはいても、何かの縁があって違う生き物を飼うことはあります。
もしもそうなったら、安全に共存できるよう細心の注意を払うことは飼い主の役目。
これはもう、平和に暮らせるよう精一杯がんばるしかありません。

そのうえで、心配していたのがウソのように仲良くなってくれたとしたら、最高に幸運だったということなのでしょう。
その幸運の部分ばかりに注目し、安易に異種共存をさせてしまうと、結末はとんでもない悲劇で終わる可能性もあるのです。