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歩きスマホをしながら散歩をしていると、犬の異変を見通すかもしれない

この記事の目次

最近よく見かけるもの――。
それは、犬のお散歩をさせている飼い主が、歩きながらスマホをいじる姿です。

そんなとき、たいていの犬たちは、我が物顔でタッタカタッタカ飼い主の前を歩いているもの。
「それでも運動不足解消にはなるんだから、別にいいのでは?」……などと考えているのだとしたら、これほど残念なことはありません。

なんのために犬を散歩させるのか

そもそも、なぜ犬を飼ったら散歩をさせなければいけないのでしょうか。

排泄をさせるため?
それとも運動不足を解消するため?

もしも上記の2つが理由だとしたら、室内で飼育されている犬の多くに散歩など必要ありませんよね。
排泄は室内トイレで事が足りますし、運動不足だって室内を自由に歩き回る程度で充分の犬種もいます。

それでもなお犬にとって散歩が必要なのは、散歩の目的が排泄や運動不足のためだけではないからです。

室内と屋外は刺激の量がまるで違う

散歩という言葉で表現するから、スマホを見ながら歩く飼い主が続出するのかもしれません。

犬をわざわざ自宅の外に連れ出す目的――。
それは、犬の心と体に適度な刺激を与えることで、健全な精神と肉体を維持するためです。

いくら室内で自由に動けたとしても、家の中で起こる出来事や聞こえる物音、ただよってくるニオイにはあまり幅がありません。
しかし、一歩外に出ればそこにあるのは未知数のものばかり。
いろいろな人や動物、四季によって移り変わる植物、自動車や自転車が通り過ぎることもあれば、工事現場の騒音が響いていたりもします。

そういう新たな刺激をもたらしてくれる環境を、この世で一番大好きな飼い主と一緒に歩く時間。
これがどれほど犬にとって楽しい時間なのかは、想像に難くありませんよね。

もちろん、体を動かすことだって喜びの一部です。
私たち人間が単純に「お散歩」と呼ぶ時間は、犬にとっては「最高に幸せな時間」と同義のなのではないでしょうか。

スマホの画面に見入っていると見落とすこと

「とりあえず運動不足が解消されるのは本当なんだから、別にいいのでは?」と、なおも反論したくなる飼い主もいることでしょう。
では、こんなふうに考えてみたら、もっと具体的に想像ができるでしょうか。

もしも、です。
飼い主がスマホの画面に見入っている間に犬がオシッコをしたとして、それが血尿だったとしたらどうでしょうか?

さすがにトマトジュースのような血液そのままの色でもしていたら、スマホの画面に釘付けになっている飼い主であろうと、気づくことができるかもしれません。
しかし、ほんの少し血液が混ざっている程度の血尿は、スマホの画面に夢中になっている飼い主が見つけることはまず不可能。

では、もしもその血尿が膀胱がんの初期症状だったとしたら?
「そんな大げさな……」と思うかもしれません。

しかし、病気の初期症状を見落とすとは、そういうことなのです。

散歩の時間は犬の状態を把握するための時間

歩いている犬の姿には、健康状態が如実に表れています。

なんだかいつもより元気がないような気がする。
歩き方がちょっとおかしい?
飼い主が犬の姿を見ていて感じる違和感には、必ず原因があるものです。

犬の散歩は犬の精神と肉体を健全に保つ時間であるとともに、飼い主が愛犬の状態をチェックするための、最適な時間でもあるのです。