犬にとってのビタミンCを考える
私たち人間は体内でビタミンCを合成することができないため、
食事から摂取しなければなりません。
最近はサプリメントで積極的に摂取する人も多いですよね。
ところが犬は体内でビタミンCを合成するのに必要な酵素
「L-グロノ-γ-ラクトンオキシダーゼ」を持っています。
そんなわけで、犬はビタミンCを摂取する必要はない、
というのが通説になっているのですが……。
果たして本当に犬はビタミンCを摂取しなくてもいいのでしょうか?
健康で健全な環境にいるなら必要ないが…
もし、犬の暮らしている環境がとてもノンビリとしたもので、
さしたるストレス要因がないのであれば、
あえてビタミンCを摂取させる必要はありません。
通常の食事をしていれば、
自らの体内で作り出すビタミンCで充分に事足りるでしょう。
しかし、よほどの恵まれた環境で暮らしていない限り、
ビタミンCを消耗させる要因というのは意外なほどにあるものです。
たとえば飼い主の喫煙。
散歩のときに嗅ぐ自動車の排気ガス。
何かあるたびに怒鳴り散らす飼い主の態度もストレスになるかもしれません。
また、良かれと思って着せている洋服やアクセサリーが、
実は犬にとっては辛い拘束具に感じているとか……。
犬は、私たちが考えているより
ずっとストレスフルな環境で生きているのかもしれません。
となると、犬にも適度なビタミンCの摂取が必要になるはずです。
ビタミンCのことを考えた食材
ビタミンCを意識した食材は、手作り食において組み込むことは難しくありません。
リンゴやキュウリをすりおろしたものを加えるだけでも簡単に摂取できますので、
季節を問わずに上手に加えてみてはいかがでしょうか?
平日は仕事があるので短時間の散歩しかできなくても、
週末は思い切り遊ばせることってありますよね。
犬にとっては飼い主と一緒に長い時間を過ごすことができて、
なおかつたくさん運動して大興奮するわけですから、
嬉しさは倍増どころか3倍4倍でしょう。
しかし、興奮して体を使う分、体内ではビタミンCが急速に消費されることになります。
それを見越して、週末の食事には
ビタミンCをたくさん摂取できる食材をチョイスしてあげましょう。
サプリメントを利用する方法もありますが、その場合は摂取量に注意してください。
一度に大量の純粋なビタミンCを摂取すると、人間と違って犬は下痢をしやすくなります。
人間とは圧倒的に体格差があることを忘れないでください。
関連記事
-
野菜の栄養素はどうすれば効率よく摂取させることができるのか?
犬の手作り食で最も重要な栄養素はタンパク質――。とは言え、タンパク質オンリーでいいという話ではありません。五大栄養素でいうなら、タンパク質>脂質>炭水化物>ビタミ
-
いろいろな食材を組み合わせる方が栄養バランスは整いやすい
手作りで犬のご飯を作るなら、メインとなるのはタンパク質が多く含まれた食材です。高タンパク低カロリーという観点から考えると、牛なら赤味の部分、鶏ならササミがいいか
-
体に良い成分も過剰摂取すればただの毒
大切な愛犬にはいつまでも健康で長生きをしてもらいたい――。だからこそ手作り食を始めたのに、「これで本当に栄養バランスは整っているのだろうか?」と不安になることは