狆は人を怪我させるより、怪我をさせられることが多い
日本が原産国となっている狆(ちん)は、かなり古い歴史を持つ犬です。
日本古来から高貴な人々に大切にされてきた犬で、
まさに抱っこされるために生まれた犬だと言っても過言ではありません。
性格は愛らしく粗野なところがない
人懐っこく愛らしい狆には粗暴な性格がほとんどありません。
そのため、できれば大人だけの家庭で飼われた方が、
狆にとっては気楽に生きていくことができるでしょう。
小さな子どもと遊べない犬ではありませんが、
優しい気質の狆は子どもにケガをさせるより、
むしろ人間の子どもにケガを負わされてしまうことがあるのです。
ほとんど無駄吠えをすることのない性格も災いしてしまうのか、
危険を回避するのがどうしても遅れてしまいがちになるのかもしれません。
小さな子どもがいるからという理由で大人しい気質の犬を選びたがる飼い主は多いですが、
実はその選択の結果、犬の方が辛い目にあうケースが意外なほど多いのです。
狆はその被害者になりやすい犬種ですから、
幼児のいる家庭で飼おうとする場合は、
本当に狆が最適であるかを今一度考えた方がよいでしょう。
狆の優しい性格はお子さんのいる家庭にも最適、と書いてある記述を見かけることもありますが、
それは犬側からの視点をまったく考慮していません。
運動量はかなり少なくても大丈夫
体格を見てわかる通り、狆に激しい運動は必要ありません。
のんびりと歩くお供をするだけでも充分ですから、
お年寄りの飼う犬としても最適ではないでしょうか。
狆は生まれつき股関節が浅く、脱臼しやすい個体が多いこともあり、
無理に走らせたり運動させる必要はありません。
犬=散歩をさせなければいけない、という固定概念のある飼い主が狆を選ぶと、
まず間違いなく股関節の炎症を引き起こしてしまうことになるでしょう。
室内や庭で適度に遊び、残りの時間は飼い主に抱っこされてゆったり過ごすことが
狆としては理想の生活といえるのです。
毛の手入れはそれほど難しくない
こまめに軽くブラッシングをしていれば、きれいな毛を保つことはさほど難しくありません。
しかし、とても細くて柔らかい毛質をしていますので、
ブラッシングやコーミングをさぼると、あっという間に毛玉ができてしまいます。
一度毛玉になってしまうとその部分を切り取るしか方法はなく、
狆の場合はそれが十円ハゲのように見えて薄いピンク色の地肌が露出してしまうと
かなり痛々しい見た目になってしまいます。
皮膚はかなりデリケートなところがあり、
食物アレルギーなどの場合も皮膚の炎症で初めて気がつくケースが多いですから、
お手入れの際にすみからすみまできちんと点検するとよいでしょう。
関連記事
-
子どもと犬は仲良し――という大人が作り上げた幻想
小さな子どもと犬が仲良くたわむれている動画。動画サイトやテレビなどでよく見かけますよね。見ているだけでほのぼのとするような動画の数々ですが、ああいった子どもと犬
-
犬が体を痒がるのは皮膚の乾燥が原因かも?
犬が体を後ろ足でガシガシとかいていたら、その痒みの原因にはどんなことが考えられるでしょうか? まず最初に調べるとしたら、やはりかきむしっているあたりの皮膚ですよね
-
犬はどのぐらいの頻度で洗うべき?
現在、日本で飼育されている犬の多くが室内で暮らしています。それにともない、「犬を洗う」という行為が当たり前のものになりました。とはいえ、人間と同じような頻度とい