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濡れた犬の体がクサイ!そこにはちゃんと理由があるんです

この記事の目次

愛犬をこまめにシャンプーしていると、抱っこをしたときにフワリといい香りがしますよね。
シャンプーの頻度はそれほどではなくても、こまめにブラッシングをしているだけでも基本的に犬の体臭はきつくなりません。
頻繁に洗わなくても、犬の体を清潔に保つことは充分に可能なんです。

ところが――。
雨の中を散歩して帰ってくると、犬の体がムワーンと臭くなっていませんか?
出かける前はシャンプーの香りがしたはずなのに、水に濡れた体はウソみたいに犬臭くなっている……。
実はこれ、ちゃんとした理由があるんです。

水に濡れた犬の体を臭くしているものの正体

犬の体が水に濡れたときのニオイ。
俗に「犬クサイ」と表現したりしますが、なんとこのニオイの元は犬の体そのものというより、犬の皮膚や被毛に住んでいる酵母やバクテリアが排出する、有機揮発性物質のニオイなんです。
つまり、乾いているときにもそのニオイの元である酵母やバクテリアは犬の皮膚や被毛に住み着いているわけですが、雨などで中途半端に濡れるとニオイの粒子が飛び、人間の鼻にも届いた結果、犬が臭くなったと感じるのです。

「犬の皮膚や被毛には酵母やバクテリアが住んでいるの!?それって不潔じゃないの?」
……などと思ったら大間違い。
私たち人間の皮膚にだって、常在菌は山ほどいます。

酵母が真菌類の一種と聞くとカビや水虫を連想して、なんだかすごく不潔な感じがするかもしれませんが、キノコだって立派な真菌類。
パンを焼くときに必要なイースト菌だって立派な酵母――真菌類です。
犬の皮膚や被毛に酵母やバクテリアが住み着いているからといって、イコール不潔なわけではありません。
そして、たまたまその酵母やバクテリアが産出する有機揮発性物質が、人間にとってはクサイと感じるニオイだったという、ただそれだけのことなんです。

犬の体自体にもニオイの元がないわけではない

じゃあ、水に濡れたときに犬が臭くなるのは、100%酵母やバクテリアが原因かといえば、実はそうともいいきれません。
と言うのも、犬の体にもちゃんと臭う原因があるからです。

いわゆる、人間で言うところのワキガ。
その原因となる汗が排出されるのはアポクリン腺という汗腺ですが、このニオイのある汗を排出する汗腺が犬の体にもあるんです。

しかし、一昔前まで「犬は汗をかかない」と思われていたのに、ニオイのある汗を排出する汗腺があると言われても、なんだかぴんとこないかもしれません。
そもそもなぜ犬が汗をかかないと思われていたかと言えば、それは私たち人間が「汗」と聞いてすぐに思い浮かべる水分を排出する汗腺――エクリン腺が犬の体には鼻と肉球にしかないからです。
要するに、汗腺はあっても犬は人間のイメージするような汗はかかないんですね。

しかし、ニオイのある汗を排出するアポクリン腺はある……。
つまり、犬の体には全身にアポクリン腺があるのでニオイの成分は全身にあるけれど、普段は人間のように汗をかかないためにニオイを発しにくかっただけのことで、水に濡れるとそのニオイが立つようになる、というわけです。
さらには酵母やバクテリアの排出するニオイと相まって、より臭く感じるのではないでしょうか。

犬臭くても洗いすぎはダメ!

雨の中を散歩し、犬臭くなったからといって連日のようにシャンプーしていたら、犬の皮膚から必要な皮脂まで取り去ってしまいます。
そうなれば、皮膚トラブルを招くのは必至。
さらには必要な皮脂まで洗い落とされて無防備になった皮膚をドライヤーで乾かすのですから、乾燥肌による皮膚トラブルが起きないほうが不思議なぐらいです。

水に濡れて一時的に犬臭くなったとしても、乾いた布でしっかりと拭きあげると、ほどなくして臭みはとれるもの。
濡れたままにしておくのはまた違う意味で皮膚トラブルの原因になりますが、洗いすぎは間違いなく皮膚にダメージを与えてしまうんです。
というわけで、水に濡れた愛犬が臭くても、そのたびに洗いまくるのはやめておきましょう。