先住犬の心のケアが多頭飼育を成功させる鍵
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犬は私たち人間が思っているよりずっとデリケートな生き物です。
特に、心の問題については犬と人が共通の言語で会話をすることができない以上、
行動や状態から心の動きを読みとってやることしかできません。
しかし、私たち人間は目の前のものに気をとられていると、
うっかりそのことを忘れてしまいがちです。
1匹飼いから多頭飼育へ
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犬を1匹で飼っていると、もう1匹欲しいと思うようになるのは人情です。
それはもちろん、可愛いからもう1匹欲しいという気持ちだけではなく、
留守番中に1匹だけでは寂しいだろうから……と、
愛犬のことを思いやってのこともあるでしょう。
犬は本来群れで生きる動物ですから、1匹だけでいるより
仲間が一緒にいた方が寂しくないことは間違いありません。
しかし、その導入については細心の注意を払わないと、
思いがけず先住犬の心を傷つけてしまうことがあるのです。
人間的感覚での思い込みはダメ
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それまで単独で家族全員の愛情を独占していた犬にとって、
後輩犬がやってくるというのはどういうことだと思いますか?
「遊び相手がきた!嬉しい!」と考えて欲しいのは
単なる飼い主の夢見るエゴでしかありません。
当の先住犬にしてみれば「飼い主の愛情を横取りするライバルが来た!」
と思うのではないでしょうか。
もちろん、時間をかけてなじませていくうちに、
楽しい遊び相手にもなるでしょう。
しかし、後輩犬の登場に戸惑う先住犬に対し、
いきなりそれを求めるのはあまりに酷というものです。
それなのに、ある日いきなり
「今日からこの子はあなたの妹よ(弟よ)!」と勝手に押し付けたあげく、
「先輩なんだから優しくしてあげなきゃダメじゃない」などと言われたら、
先住犬はいったいどんな気持ちになるでしょうか。
優先すべきは先住犬の心のケア
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犬を単独で飼育していた家が、
新たに子犬を向かえる際に気をつけるべきこと――。
それは、1にも2にも先輩犬の心のケアです。
子犬は可愛いですし、何かと世話が必要な存在ですから、
つい真っ先に手を出したくなる気持ちはわかります。
しかし、その行動が間違いなく先輩犬の心を傷つけてしまうのです。
朝一番に声をかけて頭をなで、抱っこする相手はまずは先輩犬でなければいけません。
新しくやってきた子犬はその次に触るべきなのです。
「それでは子犬が傷つくのでは?」と心配する必要はありません。
まだ周囲と自分との関係がつかめていない子犬にとって、
最初からセカンドの扱いをされたとしたら、
それがスタンダードになるためストレスにはならないからです。
どんなに子犬が可愛く見えても先住犬を常に優先することを忘れなければ、
いずれ楽しい多頭飼育の日々が始まることでしょう。
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