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グレイハウンドは躍動感あふれる体とものぐさな性格が同居した犬

この記事の目次

グレイハウンドといえば足の速い犬――。
このイメージ、かなり定着しているのではないでしょうか。

ドッグレースで有名なグレイハウンドは、冗談抜きで本当に足の速い犬です。
最高時速68~75kmといいますから、本気で走れば制限速度50kmの国道を走る車よりずっと速いなんて、想像できるでしょうか?

速く走るために改良された犬

グレイハウンドの体型を見れば、速く走れるのは一目瞭然です。

足が長くて筋肉質。
しなやかなボディは弓なりに躍動し、まさにぐんぐんと加速するための体型をしています。
流線型をした頭の形といい、つるりとしたスムースコートのボディといい、見るからに空気抵抗が少なさそうですよね。

しなやかな鞭のように細くて長いシッポは、方向を決めるときに舵の役割をします。
さらには、ブレーキをかける際にも必要なのだとか。

どれだけ走るための体をしているんだ!とうなりたくなるようなスプリンター体型――それがグレイハウンドという犬です。

そしてもちろん、その体型は自然に生み出されたものではありません。
多くの犬種がそうであるように、グレイハウンドもまた人の手によって速く走れるように改良された犬なのです。

もともとは狩猟犬

グレイハウンドの原型となったのは、野生動物を狩るための狩猟犬でした。
これは、想像に難くないですよね。

ドッグレースの映像を観たことがある人ならすぐにピンとくるのではないでしょうか。
レースを走る犬達は、ウサギのような獲物に見立てたダミーを追いかけて走っています。
競馬のように騎手が乗っているわけではないので、追いかけるダミーがなかったら、犬達はてんでばらばらの方向へ行ってしまうかもしれません。

実際に、ドッグレースのコースに小動物が迷い込んでしまうと、レースを走る犬達がダミーではなくそちらを追いかけてしまい、レースそのものがメチャクチャになることもあるのだとか。

単純に観ているだけなら笑える光景ですが、お金をかけていたらシャレになりませんよね。

家の中では寝てばかり

そんな躍動感あふれる犬ですが、家庭犬としての姿には意外なものがあります。

グレイハウンドに「世界最速のカウチポテト」というあだ名がついているのを知っていますか?
カウチポテトとは、寝イスでダラダラしながらポテトチップをかじりつつ、テレビを観ているような人のことです。
そしてグレイハウンドはこの名の通り、家の中ではほとんどダラダラと寝っ転がっているような犬なんですね。

犬が家の中で寝ている姿自体、別に珍しいものではありません。
しかし、グレイハウンドの場合は走るときの躍動感あふれる姿とのギャップが激しすぎるのではないでしょうか。
だらしない格好で寝転んだ姿を見ていると、本当にこれが時速70kgで走れる犬なのか!?と疑いたくなるほどです。

グレイハウンドには専用のソファーが必要

グレイハウンドを飼うなら、専用のソファーを用意したほうがいい――。
これは、実際にグレイハウンドと暮らしている人が口を揃えて言う言葉です。
用意しておかないと、人間が座るソファーを占拠されてしまうのだとか。

もちろん、理由はそれだけではありません。
グレイハウンドは体格が大きく被毛はスムースコート。
固い床の上で年がら年中寝転がっていると、ひじなどにタコができやすいんですね。
グレイハウンドの美しい体にタコを作らせないためにも、寝転がる場所は柔らかくなければいけないのです。

残念ながら簡単には手に入らない

グレイハウンドの実物を見てしまうと、一目惚れする人が続出します。
しかし、手に入りにくさでいえばかなりの筋金入り。
理由の一つとしては、日本には賞金のかかったドッグレースが存在しないことがあげられます。

海外でグレイハウンドを手に入れる方法として一番確実なのは、レースの引退犬を引き取ること。
日本ではこの道筋がありません。

さらには、日本には現在グレイハウンドのブリーダーがほとんどいないといってもいい状態。

要するに、どうしてもグレイハウンドと暮らしたかったら、海外から輸入するしか手に入れる方法がないのです。