夜間・救急対応の動物病院を受診する際に注意すること
愛犬がぐったりとして呼びかけても反応がない!
階段から転げ落ちて骨折したかもしれない!
こんな時は、一刻も早く動物病院に連れていきたいところです。
しかし、かかりつけの動物病院がお休みだったり、診察時間の終了した夜間に限って不測の事態は起こるものなんですよね。
それでも昼間の時間帯ならまだましです。
たとえかかりつけの動物病院が休診日だったとしても、他の動物病院を探すのはそれほど難しいことではありません。
問題は夜間。
かかりつけの動物病院が夜間診療に対応していない場合、私たち飼い主はいったいどうすればいいのでしょうか。
住まいの市町村と周辺地域の夜間・救急に対応している動物病院をチェック
首都圏や大都市圏に住んでいれば、夜間や救急対応の動物病院を見つけるのは、それほど難しいことではないのかもしれません。
しかし、地方都市に住んでいる場合、なかなか近所にそういった動物病院が見つけられないのが現状ではないでしょうか。
とは言え――。
一昔前に比べると、地方でも夜間や救急に対応する動物病院が少しずつ増えてはきました。
地方在住だからとあきらめないで、普段からチェックしておいても損はありません。
いざという時になってあわてて探すより、日ごろから自分の住まいの近隣には救急や夜間に対応する動物病院がないかを確認しておきましょう。
不安を抱えて一夜を明かすことと、遠距離の病院に連れていくこと
うちの町は小さいから、どこの動物病院も救急・夜間の対応をしてくれない!
そういう地域もおそらくは少なくありません。
だからこそ、住まいの市町村よりもっともっと範囲を広げて把握しておくべきなんです。
いっそのこと、住まいの都道府県レベルで調べておいてもいいのではないでしょうか。
仮に、家から一番近い夜間・救急対応の動物病院が車で2時間かかる場所だったとします。
もしも深夜12時に愛犬の具合が急変したとしたらどうでしょうか。
近くの動物病院はどこも夜間診療に対応してくれない。
そして、かかりつけの動物病院が開くのは午前9時です。
苦しんでいる愛犬を目の前にして9時間も不安を抱えたままでいるぐらいなら、片道2時間の道のりをがんばれると思いませんか?
夜間・救急対応の動物病院を受診する前にしなければいけないこと
夜間や救急対応の動物病院を見つけたからといって、いきなり家を飛び出してはいけません。
なぜなら、夜間・救急対応をしている動物病院だからといって、必ずしも診察してもらえるとは限らないからです。
「必ず事前に電話連絡をすること」
これは、家の近所の動物病院であろうと遠方の動物病院であろうと、通常の時間外に診察してもらう場合には必須です。
夜間・救急対応の動物病院を受診する際に持参するべきものは?
病院と連絡がついたら、以下のものを必ず持参してください。
- 現在服用している薬がある場合は、薬を一式。
- 現在治療中の病気がある場合は、手もとにある検査結果をすべて。
- 何かを誤飲・誤食している場合は、用意できるなら飲み込んだものと同じものを。
- 診察するうえでの参考になると思われる画像や動画がある場合はすべて。
- 飼い主の身分証明書。
- 多めの現金とクレジットカードの両方。
これから受診する動物病院の獣医師は、突然急患としてやってきた犬を診察することになります。
何が診断の参考になるかはわかりません。
いるかいらないか迷ったら、とりあえずすべてを持参しましょう。
また、多めの現金とクレジットカードの両方を用意していくことをおすすめします。
病院によってはクレジットカード決済のみ、もしくは現金のみという場合があり、どちらであっても対応できるからです。
夜間・救急対応での受診には別途夜間診察料が必要
通常の時間外で受診した場合は、別途夜間・救急診察料が必要になる場合がほとんどです。
つまり、ただでさえ健康保険のきかない動物医療が、さらに高額になることを覚悟しなければなりません。
どの程度の金額が必要になるかは病院によってまちまち。
加算される夜間診察料の相場は3千円から1万円程度といわれていますが、気になる場合は事前に電話で確認をしておきましょう。
夜間・救急対応は緊急事態のみの診療
通常の診察時間が終了した後の時間帯に具合が悪くなるペットは、意外なほど多いものです。
それに対して、対応できる獣医師の数は多くありません。
つまり、夜間対応の動物病院は大忙しであり、だからこそ本当に緊急事態のペットしか診察しないことを基本にしている場合が多いのです。
たんなるワクチン接種などは対応してもらえませんし、緊急性のない症状の場合も、後回しにされるか診てもらえないかのどちらかになる可能性が高いでしょう。
毎日フルタイムで働いているし、土日は友達と遊びに行きたいから、夜間診療で診てもらおう!
こんな感覚で訪れてはいけない場所――それが、夜間・救急対応の動物病院です。
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