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老犬ホームに犬を預けるとしたら

この記事の目次

犬は家族の一員です――。
いまやこのフレーズに目新しさはありません。

かつては家畜だった犬がペットとなり、
さらには人間同様の家族として扱われるようになりました。

しかし、本当にちゃんと家族の一員になっているのでしょうか?
愛らしくて可愛いときだけ、自分にとって都合のいいときだけ家族扱いをしてませんか?

本当に犬が家族の一員なら、老いも病気も含め、最期のときまで家族であるべきです。

とは言え――。
最期まで大切にするつもりで飼ったのに、
どうしても自分の手で面倒を見続けることができなくなることもあるでしょう。

どうしても飼い続けることができない

結婚、転勤、病気、事故などなど、
想定していなかった状況になることはありえることです。

誰しも、好きで犬を手放すわけではないのでしょう。
しかしながら、数年後に飼えなくなるとわかっていて、
安易に犬を飼うケース
も見たことはあります。

言い分としては「ちゃんと、面倒をみてくれる人はいますから」とのことでしたが、
犬にしてみたら飼い主とはなればなれになるのですから、酷な話しですよね。

それでもまあ、三歩譲って
次の飼い主を見つけてから犬を手放す人は、まだましな部類なのでしょう。

なんの努力もせず、飼えなくなったら即犬を処分しようとする人もいます。
こういう飼い主は完全に論外であり、そもそも犬を飼うべきではありません。

ところがそういう腹立たしい事情とは違い、
次の飼い主をどうしても探せない場合もあります。

たとえば、高齢者だけの世帯が飼育していた犬で、
子どもや孫など、近親で世話をしてくれそうな人が見つからず、
さらには犬もすでに高齢であり、動物愛護団体などの協力を得たとしても
次の飼い主を見つけることが困難な場合。

また、一人暮らしの飼い主の犬が高齢となり、
日中も介護が必要となってしまった場合などは、
昼間も面倒をみてくれそうな次の飼い主を見つけることはまず不可能でしょう。

こうなってしまうと、少し前であれば処分するしかありませんでした。

しかし、現在は老犬ホームに預けるという選択肢があります。

老犬ホームに預けた場合の費用

老犬ホームはもちろん無料ではありません。
毎日の犬の面倒に加え、介護や通院などを自分に代わって担当してもらうのですから、
その費用を支払うのは当たり前のことです。

では、実際にどのぐらいの費用がかかるのでしょうか?
施設によって料金には違いがありますし、犬の体格、年齢、疾患の有無、
介護の要・不要によりトータルの費用は違いますが、ひとつの例をあげてみましょう。

費用がかかる場面 金額
小型犬 中型犬 大型犬
入所金 10万円前後
1年にかかる費用 40万円前後 45万円前後 50万円前後
介護が必要な場合 上記にプラスして月々3万~5万程度

もしも老犬ホームに犬を預け、その子が3年間そこで過ごしたとします。
単純計算ではありますが、小型犬なら130万円、中型犬なら145万円、
大型犬なら160万円かかる
わけです。

介護が必要な状態なら、さらに年間でプラス100万円以上が必要となるわけですね。

これを高いとみるか妥当とみるか。
たかが犬の世話に新車が購入できる金額を払えるか!という人は、
自分に何かがあったときにきちんと犬の面倒をみてくれる人をあらかじめ探しておくか、
もしくははじめから犬を飼うべきではありません。


現代を生きる犬達は栄養状態が非常に良くなり、
さらには室内での生活という環境ストレスの軽減、
そして動物医療が進化したことによりどんどん長命になっています。

「そんな先のことまで考えて犬なんて飼えないよ」という人は、
結局犬のことを本当の家族だとは思っていないのかもしれませんね。