MENU

愛犬の健康とデトックスは密接につながっている

この記事の目次

犬は生き物です。

当たり前のことですが、どれだけ健康な体に生まれたとしても、その生涯において絶対に病気にかからない保証はありません。とは言え、たとえ愛犬が病気にかかったとしても、早期に発見して早期に治療を開始できるなら、完治する見込みは高くなるでしょう。

しかし、ベストは病気にかからないこと。そのためには、日頃から予防を心がけることがなにより大切であり、その効果的な方法の一つがデトックス――解毒です。

毒素は体の内側と外側にある

愛犬の体から解毒したい有害物質とは、どんなものでしょうか。

まず最初に思い浮かぶのは、食べ物に含まれている添加物や残留農薬。さらには大気中の汚染物質や飲み水に含まれている微量の重金属なども、見過ごすことはできません。

仮に「この量であれば人体に害はありません」とされている基準値内におさまっていたとしても、超大型犬でもない限り、たいていの犬は人間よりずっと体が小さいのです。無害でいられる上限値があるとしたら、おそらくは人間よりずっと早くに達してしまうことでしょう。

また、犬の体に蓄積させたくない有害物質は、なにも体外からのみ取り込まれるわけではありません。

生命を維持するうえで欠かせない消化や吸収などの代謝により、犬の体内では二酸化炭素やアンモニア、窒素といった物質が日々産出されているのです。

これらは特に珍しくもない物質ばかりですが、体にとっては有毒物質。さらには腸内細菌の死骸や古くなって剥離した細胞なども、正しく排出されなければ有害物質として体内に蓄積されていくことになるのです。

こうして考えてみると、犬に限ったことではないものの、体は常に有害物質が蓄積されるリスクにさらされているんですよね。

愛犬の体調不良は有毒物質が蓄積しているサイン

犬も人間も体には毒素を排出する機能が備わっています。

たとえば食べ物や飲み水など、様々なルートから体内に入り込んだ化学物質は、肝臓で解毒処理を施された後、腎臓でろ過されてから尿と一緒に体外へと排出されます。このときに尿として排出できない揮発性の有害物質は、肺から呼気に混ぜて体外へと排出されることに。

また、消化器官にウィルスなどが侵入した緊急事態には、下痢や嘔吐によって速やかに体外へ排出しようとします。呼吸器官ならクシャミやタン、鼻水などがその役割を果たしているわけですね。

つまり、呼吸や消化、排泄といった生きるうえで当たり前の行為に不調が生じたとき、そこにはなんらかの有害物質が関係している可能性が高いのです。

その状態が続いてしまうと、それはすなわち排出できなかった毒素が体内のどこかに蓄積されていることを意味しています。

愛犬の便通が不調になると、口臭が強くなることに気づかれた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。その状況は、まさしく排出しきれなかった有毒物質が呼気として肺にまわっているからなんですね。

もしも愛犬の血液検査で肝臓や腎臓の数値に乱れが生じているようなら、体の解毒機能が弱まっていることは明らか。

排出できなかった毒素が急激に愛犬の体内に蓄積されている状況であり、近いうちになんらかの病気が顕在化する可能性が高いと考えるべきです。早急に手を打たないと、手遅れになるかもしれません。

最も簡単なデトックスは飲水量を増やすこと

愛犬の体から毒素を排出する手っ取り早い方法は、水分の摂取量を増やすことです。

仮に日頃から脱水にはならない程度に水分が摂取できていたとしても、それだけでは血液やリンパの流れが滞りがちに。ちょっとしたきっかけで毒素が蓄積されてしまう危険性を回避するためにも、普段からしっかり水分の摂取量を管理する必要があるのです。

とは言え、四六時中犬の様子を観察していない限り、どの程度の量の水を飲んでいるのかを正確に把握することは難しいですよね。だからこそ、飼い主が積極的に水分を摂取させることが解毒においては有効なのです。

ドライフードが主食のワンちゃんなら、単純にお湯をかけるだけでも摂取できる水分量は飛躍的に増えますよね。

また、毎日オヤツにジャーキーなど与えている場合は、ジャーキーをミルクに替えるだけでも水分をしっかり摂取させることにつながります。こんなふうに、特別なことをしなくても水分の摂取量を上げることは難しくありません。

「デトックス=解毒」と聞くとなにやら難しそうな響きもありますが、要はこんな単純なことでも解毒を促すことが可能なのです。とはいえ、せっかくなら水分の質にはこだわりたいところ。

市販されているデトックス用のミルクを利用したり、利尿効果のあるハーブティー(犬が飲んでも安全なもの)を利用することにより、さらなる効果が期待できるでしょう。

もちろん水道水でもいいとは思いますが、その場合はカルキを抜くためにしっかり沸騰させて白湯にしてから使うというように、より安全に水分を摂取させる一手間をかけたほうが安心です。

栄養を摂取させるためにも解毒が必要

愛犬が生まれてから天寿を全うするまでの間、体にとっての有害物質を完全に排除することなんて不可能です。

仮に生涯無菌室に押し込めたとしても、食べ物を消化吸収する過程で有害な副産物が産出されてしまうことは避けて通れません。しかし、だからこそ体には解毒機能が備わっているのです。

愛犬に元気でいてほしいからサプリメントを飲ませているのに、肝心の体が蓄積した毒素を排出できない状態だとしたら、おそらく効果はあがらないでしょう。

どれだけ栄養を摂取できるかは、どれだけ毒素を排出できるかにかかっています。