シェパードはワイルドな容貌をした精密機械
![](images/dog/a02-02-002.jpg)
ジャーマンシェパードといえば、
まずは警察犬を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
他の犬種にも警察犬はいますが、やはり精悍な顔つきや迫力のある体型から、
シェパードが一番サマになっていることは間違いありません。
ショータイプと訓練タイプ
![](images/dog/a02-02-002-1.jpg)
ジャーマンシェパードには2つのタイプがあります。
一つはショータイプと呼ばれるもので、
普通に立った時に肩の位置より腰の位置がかなり低いところにあるのが特徴です。
つまり、腰を落としたような体型になっているわけです。
これに対して訓練タイプのシェパードは
肩と腰の位置がほぼ同じぐらいの高さにあります。
この二つのシェパードはその名の通り、
ショータイプはドッグショーを意識した交配がされ、
訓練タイプは訓練することを目的とした繁殖がされています。
体格的には見栄えを重視したショータイプの方が大きく、
訓練タイプの方がすらりとしたイメージになるでしょうか。
性質的には、同じ訓練をした場合、
訓練タイプの方が飲み込みがよいことは間違いありません。
どちらがシェパードとして優秀なのか?
![](images/dog/a02-02-002-2.jpg)
はっきり言えば、どちらが良い悪いという判断よりも、
目的によってどちらを選ぶかを決めるべきではないでしょうか。
例えば、きっちりと訓練を入れて使役犬としての役目をもたせるのであれば、
訓練タイプの方が才能を発揮する確率は高くなるでしょう。
ただし、シェパード本来の性格の強さも多分に持ち合わせていますから、
誰にでも懐っこいという家庭犬の要素を強く求めることにはあまり向きません。
一方、シェパードという犬のフォルムが好きで、
そういう大型犬を飼いたいのであれば迷わずショータイプを選ぶべきでしょう。
もちろん訓練が入りにくいわけではありませんから、
通常の訓練をするうえでは、他の犬種よりも賢いと感じることは多いはずです。
また気性についてもドッグショーにおいては落ち着いていられる性格が重視されるため、
家庭の犬として飼いやすい可能性は訓練タイプよりも高くなるでしょう。
シェパードは体のケアが大切
![](images/dog/a02-02-002-3.jpg)
映画やドラマのイメージから、シェパードの体は強くて
どんなことにも耐えられるのではないかと勘違いされやすいですが、
意外なほどにケアの必要な犬です。
特に股関節を痛めやすいため、基本的に高いところからジャンプさせたり、
やたらと塀を飛び越えさせるようなことをしてはいけません。
また股関節形成不全を持つ犬も多く、
その他にも皮膚病にかかりやすい、内臓疾患にかかりやすいなど、
ワイルドな容貌とはうらはらにこまめな体のケアが必要とされる犬です。
定期的に動物病院で検診を受けることも大切ですし、
また日常管理についてもこまやかなものが要求されます。
シェパードは水を飲みすぎるとお腹をくだしやすいところがありますので、
一日に飲む水の量なども飼い主はきちんと把握しているべきです。
また、抜け毛はかなり多い犬種ですので、こまめなブラッシングが必要ですし、
体に吹き出物がでやすいため、皮膚の状態も常日頃から確認した方がよいでしょう。
見た目のかっこいい大型犬であり、想像を絶するほど賢く、
身体能力の高い犬であることは間違いありません。
しかし、精密機械のように丁寧なケアが必要な犬種でもあるのです。
関連記事
-
シェパードに安易に塀を飛び越えさせることの恐ろしさ
シェパードと聞くと、なんとなく警察犬を思い浮かべたりしませんか? 確かにテレビドラマや映画に登場する警察犬のほとんどは、ジャーマンシェパードですよね。犯人を追跡し
-
訓練性能の良し悪しと、頭の良い悪いはイコールではない
頭の良い犬と聞いて、どんな種類の犬を思い浮かべますか? 警察犬や軍用犬のイメージなら、ジャーマン・シェパードやドーベルマン・ピンシャー、盲導犬だとラブラドール・レ
-
盲導犬も警察犬も、生まれつき立派なわけではない
犬の種類を聞くと浮かぶイメージってありませんか? たとえばラブラドールレトリーバーなら、おとなしくて賢くて立派な盲導犬。ジャーマンシェパードなら勇猛かつ優秀な警察