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犬の室内トイレが、いまひとつ成功しないとき

この記事の目次

かつては庭の片隅に鎖でつながれて飼われていた犬たちですが、
現代ではその多くが飼い主と一緒に家の中で暮らしています。

それに伴い、屋内には犬のためのトイレが設置されるようになりました。
これはとてもいい傾向です。

なぜなら、散歩のときに屋外でしか排泄できない犬は大変だからです。
犬にしてみれば散歩の時間になるまで排泄を我慢しなければいけませんし、
飼い主にしてみれば台風だろうが大雪だろうが、
散歩に連れ出さなければいけなくなるのですから。

ところが、そんな便利なはずの室内トイレですが、
意外にも「犬のトイレがうまくいかない」と嘆く飼い主さんは少なくないようです。

トイレの失敗は飼い主をイライラさせるけれど…

トイレトレーニングをまったくしていないのに、
飼い主の思惑通りに完璧に室内トイレで用を足してくれる犬はそうはいません。

しかし、それなりにトイレトレーニングをしたはずなのに、
なかなか上手くいかないケースもあるようです。

こんな場合、飼い主さんの多くはガッカリしたりイライラしたりするのですが、
それは何に対しての感情なのでしょうか?

犬が教えたことを実行してくれない苛立ちでしょうか?
それとも、犬が期待したほど賢くなかったとがっかりしているのでしょうか?

たいがいの場合、その原因の多くは
飼い主の教え方が中途半端になってしまって犬が混乱しているか、
もしくは犬と人間との認識の違いなのです。

犬がバカだからでもなければ、飼い主へ嫌がらせをしているわけでもありません。
犬がトイレを失敗してしまうことが、飼い主のストレスになることは確かです。

しかし、イライラして犬にあたりちらしたあげく、自己嫌悪に陥る前に
まずは何が原因でトイレが上手くいっていないのかを、
冷静に考えてみることから始めてみましょう。

犬と人の認識のズレとは?

たとえば、毎回トイレシーツからはみだしてオシッコやウンチをしてしまう犬がいます。

あと一歩二歩トイレシーツに寄ってくれたら、
オシッコのすべてがシーツに吸収されるのに!とガッカリしてしまうかもしれません。

しかし、飼い主にとってはそのオシッコがはみだしていても、
犬にとってはちゃんとシーツの上でしているつもりなのかもしれません。


単純に足下の感覚だけでトイレシーツの上にいるつもりだと、
体の向きによってはお尻はシーツの外に出てしまうことがあるのです。

これを現行犯逮捕したつもりで飼い主が大騒ぎしてしまった場合、
犬は完全に混乱することになるでしょう。
教えられた場所でしているのに、なんで!?――と。

もしも原因がこのケースに該当しそうなら、
トイレシーツのサイズを大きくするか、もしくはトイレシーツの下に
シーツより大きなサイズの下敷きをしておくことをおすすめします。


それでも失敗するかもしれませんが、下敷きが漏れたオシッコを吸水してくれるので、
少なくともあわてて雑巾を取りに走らなくてもよくはなるでしょう。

たったこれだけでも、意外なほどに飼い主のストレスは軽減されるものです。
飼い主の精神状態が穏やかでないと、犬のトイレの精度は絶対に上がりません。

トイレの境界線がよくわかっていない?

トイレトレーの上にトイレシーツを敷いてあるのだから、
ここからここまでがトイレに決まっているでしょ!?
――これは、あくまで人間の感覚です。

それを犬に理解させるのですから、
人間的な都合と理屈ばかりを押し付けてみたところで、物事はなにも解決しません。

境界線の意識が上手くつけられなかった犬のトイレには、
わかりやすすぎるぐらいの境界線を設けるのが一番
です。

四角いトイレの三辺を簡単にはまたぐことのできない高さで囲ってやれば、
犬は嫌でも残りの一辺からトイレ内に侵入することになります。


その一辺から足がはみだしてしまうなら、
こちら側に下敷きとしてのシーツを広く敷いておきましょう。

本来は完全にトイレの中に入って用を足してくれれば一番ですが、
まずはあせらずに、こちらの一辺ぐらいは譲歩してあげることが大切です。

工夫と妥協で折り合いをつける

犬に何かを教えるとき、一番障害となるのは飼い主の焦りとイライラです。
あまり完璧を押し付けることなく、失敗しない工夫をしてみましょう。

このぐらいならいいや、という妥協を見出すことも、ときには大切なのです。

犬がトイレを上手にできなくても、それは犬の頭が悪いからではありません。
教え方が中途半端になってしまったか、ただ単にわかりにくかっただけのことです。