飼い主の勘はあなどれない!いつもと何かが違うと感じたら
犬が下痢をしたので気になって動物病院を受診したら、整腸剤を処方されただけで、もう一度様子を見せに来てくださいね、とも言われなかった――。
なんだかちょっと肩透かしをくらったような気分になりますよね。
もちろん、何か深刻な病気の兆候ではなかったということでホッとはするものの、その反面なにか心の中にモヤモヤしたものが残るような……。
こんなときは、もっと詳しい検査をしてもらうよう獣医師に相談したほうがいいのかもしれません。
なぜなら、毎日愛犬と接している飼い主の勘は、絶対にあなどれないものだからです。
なにかが気になるときは迷わず病院を受診するべき
いつもは食いしん坊の犬が、珍しくドッグフードを少し残したとします。
しかし、それ以外はいつもと変わった様子が見られなかったら、「珍しいこともあるものだな」で済ませてしまいそうですよね。
でも、どうしても何か腑に落ちない気がする……。
こんなときは、迷わずに動物病院で検査をしてもらうべきです。
と言うのも、愛犬のことを誰よりもよく見ているのは他ならぬ飼い主その人だからです。
その飼い主が何か気になるということは、本当に何かがあるのかもしれません。
「この程度のことで動物病院に連れていったら、心配性だと笑われるに決まっている」と遠慮してしまう気持ちはわからなくもありませんが、もしも翌日になって突然犬の心臓が止まってしまったら?
あのときすぐに病院へ連れていったら助かっていたかもしれないのに、と悔やんだところで愛犬の命は戻ってこないのです。
だったら、心配性と思われることなんて気にする必要はないと思いませんか?
思い込みでの様子見は絶対にダメ!
犬がいつもよりハァハァしているように感じるが、今日は暑いから……。
などと思っていたら実は心臓に問題があり、それが原因で肺に水が溜まっていたせいでハァハァしていた、というケースがあります。
また、嘔吐や下痢を繰り返すので何か様子が変だなと思いつつも、胃腸薬を飲ませて様子を見ていたら突然ぐったりとして動かなくなり、あわてて病院へ連れていったら子宮蓄膿症が原因で腎不全を起こしていた、というケースもあります。
いずれの飼い主も、どこかおかしいと感じていたにもかかわらず、「心配のしすぎかもしれない」と自分を納得させようとしてしまったのだとか。
こんなふうに、飼い主が「何かおかしい」と感じるときは、やはり何かがきっとあるのです。
それが命にかかわるほどのことではない場合もあるにせよ、一刻の猶予もないほど深刻な状況の前触れという可能性だってありえるのです。
大切なのは、おかしいと感じた自分の感覚を信じることではないでしょうか。
特に子犬の低血糖や大型犬の胃捻転などは、ちょっと様子を見ようと時間を置けば置くほど死亡率がどんどん高まっていく、とても危険な状態なのです。
些細なことでも相談できるかかりつけの獣医師を見つけておくことも大切
なにか愛犬の体調に心配なことがあり、病院へ連れていくと「心配性ですね」などという顔をあからさまにするような獣医は、はっきり言って良い獣医とは言えません。
本当に親身になって相談にのってくれる獣医は、飼い主の勘をないがしろにしたりはしないものなのです。
病院へ連れていきたいけれど、獣医にあきれられるのが嫌だなと感じているとしたら、もしかしてかかりつけの獣医からそういう態度をとられた経験が過去にあったのでしょうか。
もしあるとしたら、愛犬の体調に問題がないうちに、他に良い動物病院がないかを探しておいたほうがいいかもしれません。
もしも獣医からそんな態度はとられたことがないのに、自分自身で勝手に「この程度で診てもらうのは悪いかな」などと遠慮をしているとしたら、その感覚は今すぐ改めたほうがよさそうです。
万が一愛犬が病気になったとき、その兆候をいちはやく見つけてあげられるのは獣医ではありません。
他ならぬ飼い主本人であることを絶対に忘れるべきではないのです。
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