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犬は色盲で視力が悪いのか?

この記事の目次

犬は色盲なので、白黒の世界に生きている――。
というのは間違いです。

と言っても、人間のように様々な色の違いを認識できるわけではありません。
しかし白黒だけでなく、少なくとも黄色っぽい色と青っぽい色は認識できています。

黄色っぽい色という曖昧な言い方をしているのは、
黄色、オレンジ色、緑色などは
だいたい同じような黄色っぽい色として認識しているからですね。

同様に、青っぽい色というのは紫色や紺色、青色などのことです。

ちなみに、赤という色はあまり認識できていません。
どうやら赤は暗いグレーっぽい色に見えているようなので、
つまりは肉の色はほぼ認識できていない、ということになるわけです。

犬の目を人間の基準で考えない

犬の目は色盲ではないかもしれないけれど、
だからといってよく見えているわけでもない……と考えるのは早計です。

犬の目は本来夜行性であることからもわかるように、かなり夜目が利くのです。
物を見分ける際に人間が必要とする光量の1/4程度で判別できますから、
わずかな灯りでも犬は暗闇の中で対象を視認しています。

また、動体視力も人間よりずっと優れています。
ついでに言えば視野も人間より広いため、背後からこっそり近づいても
見つかってしまう確率は高くなるわけですね。

要するに、犬の目を人間の基準で考えてしまうと
「なんだか悪そう」ということになりますが、
犬にとって必要な能力はちゃんと得ているわけです。

人間はなんでもかんでも人間基準にはめ込もうとしますが、
考えてみればそれもおかしな話ですよね。

犬種の特性をきちんと理解しておく

犬には犬の目がある、ということを正しく理解しておかないと、
失敗の原因になることがあります。

たとえば、アフガンハウンドなどの
サイトハウンドは視力がよい犬種と言われています。

これは、遠くの獲物をロックオンして追いかけるための能力ですから、
きちんと理解していないと事故のもと。

大人しい子だからと広い場所で不用意にノーリードにしたりすると、
遠くの動くものに反応し、いきなり猛ダッシュで走り出してしまうことがあります。

犬にしてみれば、獲物をロックオンした本能による行動。
しかし、現代の日本ではそれが交通事故の原因になることもあるのです。

また、ロックオンされたのが人間であれ動物であれ、
万が一襲いかかってしまった場合、
大変な事態になる
のは説明するまでもありませんよね。

犬は視力の悪い生き物だ、などと安直に決めつけてしまわず、
自分の愛犬の目がどのように見えているのかをよく理解しておきましょう。
犬の安全を守ることができるのは飼い主だけなのです。