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胃捻転は一刻の猶予もない危険な状態

この記事の目次

愛犬が、何度か吐こうとしているにもかかわらず、
ヨダレが垂れるばかりでなにも吐けないでいる
としたら、どのように対応しますか?

とりあえず様子を見て、
明日になってもまだ具合が悪いようなら、動物病院に連れていきますか?
もしも胃捻転を起こしていたら、この対応では完全に手遅れです。

あなたの愛犬は、明日どころか今夜のうちに命を落としてしまうかもしれません。

胃捻転の原因とは?

胃捻転とは読んで字のごとく、
胃が捻転――つまりはねじれて向きが変わってしまう状態のことです。

おそらく大型犬の飼い主さんなら、
胃捻転について知らない人のほうが少ないのではないでしょうか。

胃捻転についての説明に、胃に入った食べ物が発酵し、
ガスが発生してうんぬん……というものがあります。
だからこそ、食事のあとは運動をさせずに静かにさせておくべきだ、と。

それはまったくその通りで、
犬に食事をさせた後は、絶対におとなしくさせておくべきでしょう。
間違っても、食事をさせた直後に散歩に連れ出すべきではありません。

ところが実際のところ、
胃捻転を起こした犬の多くは、食後すぐに運動をしたわけではないようです。


また、ドライフードが原因だという意見がある一方で、
手作り食のみを食べている犬にも胃捻転は起きています。

つまり、胃捻転が起きる原因は、
はっきりと「これだ!」と断言できないのが現状
なんですね。

それはつまり言い換えるなら、
どんなに気をつけていても、起きる可能性がある」ということなのかもしれません。

胃捻転そのものは遺伝しないけれど…

胃捻転は年齢に関係なく起こる症状です。
しかし、シニア期に突入した犬の飼い主さんは、特に注意が必要。

なぜなら、加齢によって筋肉がゆるむことにより、
胃捻転を引き起こしやすくなる
からです。

また、胃捻転そのものは遺伝する病気ではありません。
しかし、胃捻転を起こした犬の兄弟姉妹や親、祖父母などを調べてみると、
他にも胃捻転を起こした犬が見つかることがあります。

これはつまり、胃捻転症候群そのものは遺伝するわけではないけれど、
胃捻転を起こしやすい体型、骨格、筋肉のつきかたなどは遺伝する、
ということなのでしょう。

胃捻転が起こりやすい時間帯

胃捻転の症状が食後すぐに起きるものだとしたら、
もっと多くの犬が助かるのかもしれません。

ところが胃捻転は食事をしてから数時間後に起きることがほとんどです。

つまり、夜ゴハンの場合は数時間後といえば深夜から早朝。
朝ゴハンなら昼過ぎぐらいになるでしょうか。

この時間帯に愛犬に胃捻転が起きたとして、
あなたはすぐに気がついてあげることができそうですか?

もしも仕事などで日常的に日中は誰もいなくなるとしたら、
愛犬が胃捻転を起こしていることに気がつくのは、
仕事から帰ってきたあとの夕方から夜にかけてということになりますよね。

そうなんですね。
つまり、胃捻転を起こしてからすでに数時間が経過しているのに加え、
獣医師にすぐ診察してもらえるかわからない時間帯に突入しているかもしれないのです。

小型犬から大型犬まで、どんな犬にも起こる可能性のある胃捻転ですが、
やはり大型犬や胸の深い(胃が捻転しやすい)骨格の犬種の飼い主さんは、
日ごろから気にしすぎるぐらい気にしておいたほうがよいのかもしれません。

そのためにも、かかりつけの獣医さんはもちろんのこと、
いざというときに運び込める夜間診療可の動物病院について
情報を集めておくこと
をおすすめします。