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交配の現場に無知な飼い主は立ち会ってほしくない

この記事の目次

愛犬(メス)に子犬を生ませたいと思ったら、
父犬が必要になることは言うまでもありません。

もともとつがいで飼っているなら別ですが、そうでない場合は知り合いに頼むか、
お金を支払って種オスと交配させるかのどちらかになるでしょう。

知り合いに頼むことは一見簡単そうに思われますが、実はそうではありません。
交配に慣れていないオス犬が、交配に慣れていないメス犬と
上手に交尾できる確率は実はけっこう低い
のです。

また、交配させようとして犬同士がケンカになった挙句ケガをしてしまうだとか、
血統書の発行の問題などなど、素人だけで交配を成立させようとすることには
思ったより多くの障害があるのです。

となると、やはりプロの種オスを使うことが一番楽なのかもしれません。

交配の現場に夢を見てはいけない

時々、犬同士の交配に対して驚くほど夢を見ている飼い主に出会うことがあります。

もちろん、オス犬とメス犬がとても気が合って、
びっくりするぐらいスムーズに交配が完了することもあるでしょう。
しかし、それはかなり運が良かったと言えるほど、
実際の現場はそんな夢のあるものではありません。

犬は快楽のための交尾をすることはなく、
発情したからといって無条件に相手を受け入れるわけではない
のです。

ましてや初産を目指すメス犬の場合は、
発情はしているものの知らないオス犬に近寄られて気が立ってしまい、
とんでもない騒ぎに発展することなど珍しくもありません。

ですから種オスで料金をとるプロ犬舎の場合は、
交配の場面ではどちらの犬もケガをすることなく、
かつ出来るだけ妊娠が成立するような交配
をさせたいわけです。

そうなると、場のムードを高めて擬似的とはいえ愛の交歓を……、
などというわけにはいきません。

嫌がるメス犬をがっちりと押さえつけ、
オス犬が上手に交尾できるように人間が介助することもある
のです。

また、交尾の一連の流れが終了してオス犬とメス犬の体が離れてからも、
メス犬の体内にある精液が流れ出てしまわないように、
蓋をする感覚でおさえておいたりもします。

メス犬の飼い主に立ち会ってほしくない

こんな交配の様子を見て、何も知らないメス犬の飼い主は
「そんなやり方じゃ、私の可愛い○○ちゃんが可哀想!」などと真っ青になることも。

確かに嫌がるメス犬を押さえつけて交配させるのは、まるで強姦でもしているよう。
しかし、そんな状況になると考えもせず、
子犬を産ませたいと望んだのは自分自身ではないでしょうか。

種オスの犬舎側としては料金をとって交配させる以上、
妊娠が成立する可能性を高めることは当たり前のことですし、
お客様であるメス犬にも、それから自分のところのオス犬にも
ケガをさせたくないのは当たり前。


せっかく女の子に生まれたのだから、
○○ちゃんに子犬を生ませてあげたい!と考えるのは自由です。

しかし、現実が自分の思っているようなファンタジーではないことを
きちんと知ったうえで、交配に臨むべき
ではないでしょうか。