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目がつぶれても子犬を生ませることはできる

この記事の目次

ブリーディングを生業としている犬舎には、
一般家庭とは違う桁数の犬が飼育されています。

規模によってそれが二桁であったり三桁であったりするわけで、
当然のことながら飼育環境も一般家庭とは異なります。

メス犬が圧倒的に多い

どんな犬種を扱うか、どんな飼育形態にしているかは犬舎によって違いますが、
共通しているのはオスよりメスの数が圧倒的に多い点でしょうか。

オスは種をまく役割なわけですから、
まあ当たり前といえば当たり前のことなのですが。

さすがにオス犬1匹だけで何十匹ものメスと交配させることはできませんが、
それでもメスと同等の数は必要ありません。

ただし、種オスとして外部の犬と交配させることも生業にしている場合は、
それなりにオスもラインナップされていますから、
そういう犬舎ではオス犬の数も多めです。

狭い中での集団になると…

パピーミルと呼ばれる子犬生産工場でもない限り、
犬の健康状態にはそれなりに気を使っている犬舎は多く存在します。

しかし、一般家庭のように
一匹一匹散歩に連れ出すようなケアをすることはまず不可能でしょう。

そのため、運動場などの敷地を確保している犬舎の場合は、
オス犬メス犬に分けた状態で自由運動をさせることがあります。

つまり犬達が仕切られた空間の中で自由に動き回るわけですから、
ちょっとしたいさかいやケンカになることも珍しくありません。

そんな時、弱い個体を何かのきっかけで一斉に攻撃してしまうことがあるのです。

まるで集団リンチのような状態になり、
やられた犬がボロボロにされてしまうことだってあります。

もとは些細な理由での小競り合いであっても、
集団の中で興奮がエスカレートして周囲に伝染し、
結果そのようなリンチ状態になるのでしょう。

ボロボロになった犬はどうなるのか?

その時のケガが致命傷で死亡してしまったり、
不随になってしまった場合は別として、そうでない場合は引き続き台メス、
または種オスとして使う
ことになるでしょう。

極端なことを言えば、眼球の片方がつぶされてしまったぐらいなら、
ブリーディングには差し支えない
わけです。

それを可哀想だと非難することは簡単です。
しかし、ブリーディングを生業にしている以上、子犬を産めない、
もしくは種オスとして使えない犬をいつまでも変わらずに飼育してくれるほど、
ブリーディング業は甘いものではありません。

そう考えると、そもそもこんなブリーディング環境がないことが一番なのでしょう。

しかし、現在の日本においては
まだまだこのような形態はなくなりそうにもありません。

子犬は見ているだけで心が和む、愛らしい存在です。
しかし、その子犬が生み出される環境について真剣に考える飼い主が、
いったいどれぐらいの割合でいるでしょうか?

日本が犬の飼育において先進国になれるのがいつのことなのか、
皆目見当もつきません。