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若いうちからシニア用のフードを食べさせること

この記事の目次

関節のトラブルが心配だから、うちはまだ4歳だけど
早めにシニア用のフードに変えました――という飼い主さんがいました。

シニア用のドッグフードはグルコサミンやコンドロイチンなど
関節に良いとされる成分を配合しているものが多く、
加えてタンパク質の含有量を減らすことで
カロリーも控えめに作られているもの
がほとんどです。

カロリー控えめだから体重増加を防げるし、
関節ケアを考えたら一石二鳥で都合がいい……、というのが
飼い主さんの言い分だったのですが、
本当にその選択は愛犬の体にとってプラスになっているのでしょうか?

肥満を防ぐことは確かに大切だけれど…

単純に関節のケアを考えたら、肥満防止は確かに大切なことです。

関節にトラブルを抱えやすい犬種でなくても、
肥満気味になれば当然のごとく関節には多大なる負荷がかかるからです。

そう考えると体重をコントロールすることは
関節の健康にとってとても大切なことですが、
だからといって若いうちにタンパク質をカットすることで
カロリーを減らす方法には賛同できません。


なぜなら、どの年代であっても
犬にとって最も重要な栄養素はタンパク質だからです。
しかも若くて元気いっぱいに動くことのできる年齢であればなおのこと。

良質な筋肉を維持するためにも、タンパク質は
何よりも摂取しなければいけない栄養素
のはずです。

それなのに、タンパク質の摂取量を減らしてしまったら、
必要としている量が補えないかもしれません。

また、タンパク質の含有量を減らすということは、
代わりに違う栄養素を含む食材が多く配合されている可能性が高くなります。

それが穀物だったらどうなるでしょうか?
犬は穀物の消化が基本的には苦手な生き物ですから、
胃腸に多大なる負担をかけることになるかもしれません。

闇雲なサプリメントの使用は害になる可能性も

関節のトラブルを恐れるあまり、
ドッグフードにコンドロイチンやグルコサミンのサプリメント
若いうちから必ず追加する飼い主さんがいます。

これは適度な量であれば問題ありませんが、過剰摂取になるほどの量は禁物です。

コンドロイチンを過剰摂取すると
インスリンの働きに影響を与える可能性があるといわれ、
糖尿病に発展してしまうかもしれないからです。

また、コンドロイチンにしてもグルコサミンにしても、
原材料と体質の関係によりアレルギー反応を示してしまうこともあります。

ただ闇雲に「関節にいいから!」とせっせと与え続けた結果、
アレルギーで免疫力が落ちてしまったら、それこそ本末転倒ではないでしょうか。

大切なのは飼い主の五感で判断すること

愛犬の健康のために何かをしたいという気持ちはとても大切なことです。
しかし、犬の体をよく見もせずに何かをしても効果は期待できません。

ドッグフードは年代別になっている製品が多いことは確かですが、
犬の体の変化に伴って変更するべきものであり、
その年代に到達したから今日からはコレ!と決めるようなものではないのです。

自分自身で判断せず、説明に書かれた通りにすることは
ある意味とても楽なことではあるでしょう。

しかし、本気で犬の健康を考えるなら、飼い主の五感をフル稼働して、
今何が必要なのか、必要でないのかを判断するべき
ではないでしょうか。