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留守番する犬に広すぎる部屋は苦痛

この記事の目次

お留守番ができない――。
飼い主さんが抱える犬にまつわる悩みの中でも、上位にあげられる事柄ではないでしょうか。

一人暮らしや夫婦共働きなどで犬を飼っている場合、ご近所から「犬が日中吠え続けている」と苦情がきて、初めて自分の犬がきちんとお留守番ができていないことを知るケースもあります。

きちんとお留守番ができる犬にするためには、飼い主が段階を踏んで教えていくしかありません。
それなのに、一番大事なその部分を手抜きしておいて、「ウチの子はお留守番ができない」と言ってしまうのでは、犬があまりにも気の毒です。

人間的な目線が犬を苦しめる

かつては家畜として扱われていた犬が、今は家族の一員となりました。
元来群れを作る生き物であり、本質が寂しがりやの犬にとって、これはとても良いことなのでしょう。
しかし、だからといって犬と人間を同じ目線で見るのは間違いのもとです。

たとえばお留守番をさせるにあたり、ケージなどの狭い場所に閉じ込めるのは可哀想だと思っていませんか?
なぜそう思うのかといえば、それは自分がそうされたら辛いからです。
人間的な感覚でみたら、ケージに入れられることは、まるで檻に閉じ込められることのような気がしますよね。

しかし、犬は人間が思っている以上に、実は狭苦しい場所が大好きな生き物です。
なぜならそのほうが安心していられるし、落ち着くことができるからです。

逆に広い場所で留守番をさせることは、その範囲を警護させるようなもの。

ただでさえ犬は寂しがりやです。
たった一匹で何時間も広い場所の警戒にあたらなければいけないとしたら、さぞかしストレスを感じてもおかしくありませんよね。

重ねて言いますが、お留守番するのは犬であって、人間ではないのです。

犬に人間の都合を押し付けないで!

犬をただ飼うだけなら簡単です。
しかし、犬を家族の一員として扱い、ともに暮らしていくメンバーにするためには、人間の側がきちんと準備をしなければできないことなのではないでしょうか。

子犬を迎えた週末はさんざんちやほやしたくせに、週が明けたとたんいきなり「はい、いい子でお留守番してね」と言われて置き去りにされても、すぐにその状況に慣れろというのは無理があります。

また、家の中にはいつも誰かしらがいた環境で育った犬が、子どもの進学なり母親のパート勤めなりと、人間側の都合である日突然留守番をしなければいけなくなったとしても、やはりすぐにその状況を受け入れることはできないでしょう。
もちろん飼い主にだって、それぞれに事情があるのは仕方がありません。

しかし、犬が家族の一員だという認識があるのなら、仕方がないで済ます前に、犬が落ち着いて留守番ができるようになるためのプロセスは、きちんと踏むべきではないでしょうか。

人と犬が暮らしていく中で都合が悪くなった場合、放り出されて悲しい思いをするのはいつだって犬だということを、忘れてはいけないのです。