MENU

ジステンバーは後々まで厄介な伝染病

この記事の目次

恐ろしい伝染病といえば、パルボを一番に思い浮かべませんか?

パルボは最初に大流行したのが1980年代の初めと比較的新しい伝染病であり、
それ以前はジステンバーが恐れられていました。

このジステンバー、今でこそパルボよりマシのような扱いになっていますが、
こちらも恐ろしい伝染病に変わりはありません。
なんと、ニホンオオカミが絶滅した原因でもあるそうです。

そのわりに、現代の飼い主がジステンバーに対する恐怖心をさほど持たずにいられるのは、
ワクチンによる効果があがっているから
なのでしょう。

どんな症状がでるのか?

ジステンバーウィルスに感染すると、
鼻水、40度以上の発熱、目やに、嘔吐、下痢といった症状が表れます。

ただし、これはワクチン未接種の子犬や高齢犬、
もしくは別の病気で体が弱っている犬の話です。

きちんとワクチンを接種している成犬(免疫、体力があるという意味)は、
感染してもほとんど症状がでないか、軽い咳程度でおさまってしまうことが多い
のです。

ではあまり心配しなくてもいいのかと言えば、そんなことはありません。
なぜならあなたの愛犬が今は若くて元気いっぱいでも、必ずいつかは高齢犬になるからです。

今は他人事でも、ある日突然我が事になる――それが伝染病です。

ジステンバーの厄介なところ

ジステンバーウィルスが厄介なのは、免疫が不十分な状態で感染した場合、
ウィルスが神経系にまで侵入してしまう可能性があること
です。

つまり、単に酷い風邪のような症状だけでは済まないかもしれないんですね。

たとえば脳脊髄炎を起こしてしまった場合、体の麻痺や痙攣が起こり、
神経が正しく働かないせいで筋肉が正常に動かせなくなることがあります。


そしてそれらの神経症状は、発熱や呼吸器の症状がすっかり良くなった後、
数週間から数ヵ月後に突然表れることもある
んですね。
これって、とても恐ろしいことだと思いませんか?

元気を取り戻したはずの愛犬が、
忘れた頃に突然全身の痙攣を起こして倒れてしまうのです。

その症状を見てすぐに「あ、ジステンバーだ!」と結び付けられる飼い主さんは、
そう多くはないでしょう。

ジステンバーが重症化すると

ジステンバーは網膜炎や網膜はく離など、視神経や眼球に影響を及ぼすこともあります。

また、化膿性皮膚炎などを引き起こすことまであるんですね。
症状によっては命にかかわることもありえるのです。

ジステンバーなんて昔の伝染病でしょ?などとあなどってはいけません。
すぐ身近にある伝染病だと認識しておくべきなのです。

不幸にも愛犬がジステンバーに感染してしまったら、
しっかりと治療をした後も油断することはできません。

ジステンバーの諸症状がおさまって回復したと思った直後に失明したり、
何かしらの神経症状が定期的に表れたり、歯のエナメル質形成不全が起きたりと、
なにかと後々まで引きずってしまうこともあるのです。

パルボばかりが怖い伝染病のように捉えられがちではありますが、
ジステンバーのことも忘れずに警戒してください。

きちんと伝染病予防の混合ワクチンを接種させ続けることが、その第一歩です。