入荷したての子犬と売れ残りの子犬
入荷したての子犬には要注意!
ペットショップで「○曜日だったら新しい犬が入荷します」と
説明されたらどうしますか?
確かに、新しく入荷した子犬を早めに見ることができれば、
何匹もいる中から一番良さそうな子を選べるでしょう。
しかし、子犬が市場や輸送途中でウィルスに感染した場合、
入荷したての時期は元気に見えても潜伏期間なのかもしれません。
入荷した次の日に買い、もしも契約書に
『購入後一週間以内に伝染病が発症した場合は治療費を負担します』と
書かれていたらどうでしょうか?
子犬の伝染病で最も恐れられているパルボウィルス感染症などは、
潜伏期間は7日~14日とかなり幅があるため、
必ずしも連れて帰って一週間以内に症状が出るとは限りません。
そうなると治療費はすべて自分で支払うしかありませんし、
パルボは死亡率が高いため、高い治療費を払っても必ずその子が助かるとは限らないのです。
また、パルボウィルスは感染力が強いだけでなく、
環境耐性まで強いので数ヶ月以上家の中で生き続けることは珍しくありません。
家中の消毒をし、布類はすべて煮沸消毒をするぐらいの慎重さが求められますから、
一般家庭においては精神的な負担を考えれば、
完全除菌をすることはかなり困難であると言わざるを得ないでしょう。
つまり、パルボで子犬を亡くした場合、
次の犬をすぐに飼うと新しい子も危険にさらしてしまうことになるのです。
残り物には福がある?
ペットショップに行くといつまでたっても売れていなくて、
見るたびに成長している仔犬を見かけたことはありませんか?
徐々に値段も下がっていき、しまいには最初の販売価格の半値、
場合によってはワクチン代だけになっていることもあるでしょう。
せっかく飼うのであれば
月齢が経っていない小さなうちから飼いたいと思うのが人情というもの。
確かに、小さければ小さいほど愛らしいものですから。
しかし、幼ければ幼いほど体のすべては未発達であり、
ちょっとしたことで体調を崩してしまう不安定な状態であることは間違いありません。
そう考えると、ある意味売れ残った仔犬というのは
ウィルス感染の潜伏期間もクリアしているし、
糞の状態に問題がなければお腹の調子も安定していると言ってよいでしょう。
また、ケージの中でずっと過ごしているおかげで、
ケージに慣れていますから、お留守番になじみやすい可能性があるわけです。
ただし、売れ残っていたのですから、
基本となるシツケは何も入っていないと考えた方がよいでしょう。
いくらショップの店員が世話をしているとはいえ、
人間に対して主従関係のような信頼関係が結べているとも思えません。
そのため、シツケをするには幼い子犬を育てる時とは違う根気の良さが必要となりますので、
単純に「売れ残って可哀想だから」という感覚だけで
選ぶことはやめておいた方がよいでしょう。
しかしきちんとワクチンプログラムが終了している場合、
家に連れて帰ってからすぐに散歩デビューができるというのは、
実はかなり楽であるというのも事実です。
特に一人暮らしや日中は家人が誰もいなくなる場合、
少なくとも留守中に子犬の体調が急激に悪化してしまい、
帰宅したら手遅れだったという心配はほぼしなくてよいことになります。
そういう意味から考えると、
案外売れ残りの子犬というのは悪くないのかもしれません。
小さな子犬に目がいってしまうのは仕方がないことではありますが、
犬との暮らしを多角的に考えた場合、
多少成長している売れ残りの子には
それなりの良さがあることも知っておきましょう。
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