MENU

オゾン療法で愛犬の体の自然治癒力を高めたい!

この記事の目次

オゾン療法という名称を聞いたことがありますか?
読んで字の如し、オゾンガスを使った治療法のことです。

日本では、私たち人間に対するオゾン療法すら、まだあまり知られてはいないですよね。
しかし、ヨーロッパでは30~40年ぐらい前から医療分野で導入され、医療先進国ドイツでは健康保険も適用されるのだとか。

そんなオゾン療法ですが、最近では動物医療の分野でも使われ始めました。
愛犬にオゾン療法が必要か否かは別として、飼い主なら知っておきたい治療法の一つではないでしょうか。

オゾン療法で何が期待できるの?

オゾン療法は、薬のように何かの成分を体に化学的に作用させたり、外科的な手術のように物理的に犬の体に変化をもたらす治療方法ではありません。
ざっくり言ってしまうなら、犬の体が持つ自然治癒力を高めるための血液療法のこと。
要するに、弱ってしまった血液を活性化させることで、体のいろいろな不調を改善させよう、というわけです。

たとえば、オゾンが血液中の白血球に働きかけることで免疫機能が高まったり、赤血球に働きかけることで酸素運搬能力を高める、という具合にです。
要するに、体内の血液循環が良くなり、免疫力が高まることで病気に強い体になり、さらには細胞が活性化されることで老化防止にも一役買ってくれる可能性がある、といったところでしょうか。

オゾンって安全なの?

オゾンと聞いて「それって安全なの!?むしろ老化するんじゃないの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
オゾンガスとはO3、すなわち酸素原子が3つ結合した状態のガスです。
酸素原子が2つ結合したものが酸素ですから、そこにもう一つ酸素原子が結合したら酸化力がすさまじいのでは!?という心配をされたとしたら――ある意味正解です。
オゾンガスの酸化力は強力で、高濃度のガスはゴムをボロボロに腐食させ、直接動物が吸い込めば肺はダメージを受け、濃度によっては死に至らしめてしまうほどの威力を持っているぐらいです。

しかし、そんな恐ろしいものを大切な愛犬に使うことなんてできない!と考えてしまうのは早計。
あくまでも危険なのは高濃度のオゾンガスであり、医療用として適切な濃度に調整されたオゾンはとても有効なんです。

濃いのは体に悪くて、薄いのは体に良いなんて、そんなあいまいなものはコワイ!
という声が聞こえてきそうですが、だったら「塩分」はどうでしょうか?
適正な塩分がなければ命に関わりますが、摂取しすぎれば体をおかしくしてしまうものですよね。
つまりはオゾンにしても、感覚としてはそういうことなんです。

どうやってオゾンを体内に入れるの?

一口にオゾン療法といっても、体内への投与方法にはいくつか種類があります。

注腸法

カテーテル(細い管)を肛門に挿入し、注射器に入れたオゾンガスを直腸に注入します。
処置時間は2~3分で済むため、最も手軽なオゾン療法といえるでしょうか。
ちなみにカテーテルを肛門に挿入しても犬は痛がりません。(緊張しやすい子はびっくりするかもしれませんが……)

自家血液療法

まずは犬の体から血液を採取し、その血液にオゾンガスをよく混ぜ合わせうえで、その血液を犬の体内に戻します。
処置時間が30分前後かかるため、入院とまではいかなくても、一定時間病院での預かりになることがほとんどではないでしょうか。

皮下注射

注射器でオゾンガスを直接痛みのある部位の皮下に注射します。

オゾン療法で効果が期待できる病気は?

オゾン療法において、おそらく一番効果が期待される病気は<がん>ではないでしょうか。
と言っても、オゾン療法ががんを消失させるわけではありません。
免疫力を高めることでがん細胞の増殖を抑制すること、それから抗がん剤の副作用を軽減させることが期待されているんです。

その他にも、ヘルニアや関節炎などの症状をやわらげる効果が期待できるのではないでしょうか。
また、免疫力を高めると同時にオゾンには高い殺菌作用があるため、アトピー性皮膚炎や皮膚疾患なども症状の改善が期待されています。
もちろん、特に疾患がない犬でも、老化による不調を防ぐ目的でオゾン療法は強力なツールになるかもしれません。

いずれにしても薬物とは違い、オゾン療法は自らの治癒力によって体を改善させるもの。
つまり、副作用の心配がないことは、飼い主としてなにより安心なところではないでしょうか。
ただし、幼犬、妊娠犬、甲状腺機能亢進症の犬の場合、安全性を考慮してオゾン療法は禁忌とされています。

オゾン療法の費用は?

飼い主として気になるのは、やはりその費用。
オゾン療法の料金は動物病院によって幅がありますが、注腸法はおおむね1回につき2000円前後のようです。
しかし、自家血液療法は5000円~20000円ぐらいとかなりの幅がありますので、気軽に、というわけにはいかないかもしれません。

また、オゾン療法は1回実施したらそれで万事OKというものではないんです。
病気ではないけれどリフレッシュのために、という場合はそれでもいいとは思いますが、なにがしかの疾患の改善を求めている場合は、やはりある程度は継続する必要があります。
週2回を10セット続けたあと、月に1回を持続させていく、というような具合です。

もちろん、疾患の状態や個々の体質によって違いますので、気になる飼い主さんはかかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。