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シニア犬の食欲をかきたてろ!ふりかけとゆで汁で試行錯誤

この記事の目次

オヤツをあげようと差し出せば、つまんでいる指の第二関節付近まで口に入れてしまうほど食いしん坊の権化だった我が家の犬達。
試しにオヤツなしで指を差し出してみると、やっぱり指ごと丸飲みしてから「あれ?」という顔をします。
ちょっとは疑えと思うのですが、こちらが差し出すものは何でもかんでも食べようとしてしまうんですよね。

まさに、食欲が被毛をまとって動き回っているような犬達だったのですが・・・。
このところ、嗅覚や味覚が衰えはじめたのか、ご飯を残すようになってしまいました。
オヤツにはそこそこ執着しているものの、それでも以前のような勢いはありません。
このままどんどん衰えていってしまうことだけは、なんとしても避けたいところです。

ドッグフードのみでは食欲がわかなくなった?

数年前までは、ドッグフードにいつもより少し熱めのお湯をかけるだけで、食欲がぐんと増していたシニアワンコ達。
しかし、嗅覚が衰えはじめたであろう今、それだけで食欲のスイッチを入れることが難しくなりました。

加えて、ドライタイプのドッグフードを咀嚼(そしゃく)することも、少しずつ億劫になっているような気がします。
すでに5年以上前からドッグフードは毎回必ずお湯漬けにしていたのですが、それでも今では食べにくいのかもしれません。
もちろん、歯周病のケアはしていますが、やはり年とともに歯やアゴの力が弱まっているのでしょう。

特に最年長のミックス犬。
食べ始めは一生懸命モグモグと噛んでいるのですが、だんだんと咀嚼の勢いが衰えていき、あと三口ぐらいを残して「ふぅ」とため息をつくと、自分の寝床へと戻って行ってしまうのです。

嗅覚や味覚が衰えて食欲が落ちているのか、それとも体調が悪くてあまり食べたくないのか。
まずはそこを見極めるべく、試しに缶詰めのドッグフード(総合栄養食)のみを食べさせてみました。
すると、ちゃんと完食。
ということは、食べやすい形状にモデルチェンジ、かつ魅力的なにおいを付加すれば、現在のドッグフードも完食できるようになるのではないでしょうか。
というわけで、あれこれ試行錯誤を開始しました。

各種ふりかけをトッピング

まず、ベースとなるドッグフードはいつもより長い時間お湯につけて、しっかりとふやかした状態にします。
そこに、いろいろな種類のふりかけをトッピングしてみました。
選択したふりかけは、すべて犬用で無添加のものです。

チーズふりかけ

普通にチーズのにおいがするふりかけを、ふやかしたドッグフードに小さじ1杯程度まぶしてみました。
食いつきはまぁまぁ良くなったかな、というところでしょうか。

サツマイモふりかけ

ふかしたサツマイモが大好きだったシニアワンコですが、ふりかけとしてトッピングしても、それほど反応してくれませんでした。
甘味は足されても嗅覚に訴えるものが乏しかったのでしょうか。
となると、味覚より嗅覚の衰えのほうが深刻なのかもしれません。

鶏の胸肉薄削り

見た目はかつおぶしのような鶏の胸肉の薄削りを、ふりかけとしてトッピング。
においはまさに鶏肉で、シニアワンコも「お?」という顔で反応しました。
食いつきはまぁまぁ、やはりチーズ同様、動物性タンパク質のにおいは犬の食欲をかきたててくれるようです。

サメの軟骨ふりかけ

見た目は白っぽいパウダー状で、においもぼんやりと魚臭い程度。
このにおいの薄さだと難しいかなと思いつつフードにふりかけてみましたが、やはり結果は反応がイマイチでした。
コンドロイチンなどが摂取できるので、本当は食べてほしいところなのですが。

肉のゆで汁でドッグフードをふやかす

嗅覚に訴えるようなニオイをつけるとなると、ドッグフードをふやかすお湯そのものを変えたらどうなるだろうか。
そう思いつき、肉のゆで汁を各種試してみることにしました。
ちなみに、茹でた肉類は人間の食事用ですが、味付けはいっさいしていません。

鶏胸肉のゆで汁

鶏肉をゆでたときの良いにおいがするゆで汁。
やはり、ドッグフードにかけるといつもより食欲が増しているのか、食いつきは良好。
胸肉なので脂もそれほどギトギトしていないため、常備ゆで汁としては使い勝手がよさそうです。

牛スネ肉のゆで汁

牛のすね肉はアクが強いので、ゆでこぼし3度目のゆで汁を選択。
3度目でも充分にビーフ感満載のゆで汁がとれました。
においも強く、予想通り食いつきはかなり良好。
ただし、3度目のゆで汁とはいえ、あまり入れすぎると脂の影響でお腹が緩くなるかもしれません。
若干量控えめの、ヒタヒタぐらいのつけ汁にしました。

豚(ロース)のゆで汁

煮豚を作るために、豚肉の塊を茹でた汁を使いました。
本来は味付けをして煮込むものですが、今回はワンコ用のゆで汁を途中で分けるために、フライパンで焼いたロース塊をお湯だけで煮込んだものです。
そのため、ちょっと脂と油が多めのゆで汁になってしまったでしょうか。(焼きで使用した油はオリーブオイル)
とは言え、やはり豚のゆで汁はとても良いにおい。
案の定、シニアワンコ達の食いつきはなかなか良かったです。

番外編・鹿ジャーキーのゆで汁

我が家のワンコ4匹は、オールシニア犬。
いただきものの鹿ジャーキーは固すぎて食べさせることができません。
そこで、鹿ジャーキーをコトコト煮て、出汁をとることにしました。

方法はいたって簡単。
なべに水をはって鹿ジャーキーを放り込み、あとはひたすら弱火で煮るだけです。
時間にすると、30分以上は煮たでしょうか。
こうして出来上がったゆで汁は、獣くさいのなんのって、まったくもって人間向きではありません。

そして出汁をとったジャーキーは、これだけ煮たというのに、まだ固さが残っています。
このままでは、具として食べさせることができない!
そこで、ミキサーで茹でた鹿ジャーキーを砕いてみることにしました。
すると、コンビーフのような形状でバラバラになり、これならシニアワンコでも食べられそうです。
結果、シニアワンコ達の食欲を素晴らしくかきたてることができました。

とは言え――。
これほど獣臭いにおいが家中に充満するようでは、常備的なゆで汁というわけにはいきません。
ワンコ達には悪いですが、鹿肉ジャーキーのゆで汁は今回限りにしておきたい、というのが飼い主の正直な本音です。