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亡くなった愛犬を火葬にするための費用

この記事の目次

日本では、人間が亡くなった場合、そのほとんどが火葬にされます。
法律で火葬にしなければダメ!と定められているわけではありませんが、諸事情によって土葬はほとんど許可が下りないのだとか。

まあ、そこを説明するといろいろとややこしいのでとりあえず置いておくとして、人間と同様に、現代では愛犬が亡くなったときも火葬にする飼い主さんが増えています。

私は亡くなった愛犬を自宅の庭に埋葬したこともありますし、火葬にしたこともあります。
両方を経験したうえで、どちらのほうが良いかと問われたら――。

迷いなく「火葬」だと答えます。

土葬より火葬がよいと思うようになった出来事

というのも、実は土葬にした犬を後年になってから、掘り出さなければいけないことがあったからなんです。

その頃、私の実家は庭のある一軒家に住んでいましたので、16歳で天寿を全うした北海道犬は、ごく当たり前のように庭の片隅に埋葬しました。
ところが、それから1年もしないうちに、まさかの引越しが決まってしまったのです。

愛犬の亡骸を埋めたまま、土地を引き渡すわけにはいきません。
なにより、愛犬の遺骨を置き去りにすることは考えられませんでした。

そこで、ペットの葬儀社に相談し、愛犬の亡骸を掘り出すことに。
しかしその際、私たち家族が手伝うと申し出たところ、葬儀社のスタッフの方達から「まだ埋葬から1年も経っていないため、変わり果てた姿を見ないほうがよいのでは?」と言われました。

それでも私は飼い主の義務として立会いを決めたのですが、たしかに土中から現れた愛犬の姿は変わり果てたものでした。
命を終えた生き物が土に返る過程で掘り出したのです。

当たり前といえば当たり前のことですが、生前の姿を覚えているだけに、そのあまりのギャップに驚き、同時にとても申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
愛犬の安らかな眠りを妨げてしまったからです。

あれからずいぶんと長い年月がたちましたが、今でもあの日のことは忘れることができません。
それ以降、今に至るまで何匹もの犬たちを見送ってきましたが、みんな火葬にしています。

犬を飼う以上、火葬費用の目安は知っておくべき事柄

ペットを火葬にする費用は、業者によってさまざまです。
一律に「いくら」と決まっているわけではありません。

とはいえ、自分が住まう地域でペットを火葬にするとしたら、何件ぐらいの業者があり、費用はいくらぐらいかかるのか、その目安を知っておいてもよいのではないでしょうか。
そのほうが飼い主として、いざというときに慌てずに済むことは間違いありません。

一人暮らしの若い飼い主さんの愛犬が急死してしまったとき、火葬にする費用が捻出できずに困り果てた、という話しを聞いたことがあります。
ペットが死んだあとのことを考えてペットを飼うなんて、と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、犬が生きている存在である以上、最後に死を迎えることは避けては通れないのです。

自治体の清掃センターによる火葬

自治体によっては、ゴミの焼却施設内にペット専用の火葬場所を備えているところがあります。
もちろん、可燃ゴミと一緒に焼却するわけではなく、専用炉で亡骸だけを火葬することができます。(自治体によっては受け付けていない場合もあり、確認は必須)

あまり選択したくはありませんが、可燃ゴミとして焼却処分することも可能です。
ただし、きちんとペットの亡骸を焼却処分したい旨を伝えずに、燃えるゴミの日に普通の可燃ゴミと一緒に出してしまうと、場合によっては騒ぎになることも。
社会人としてのモラルやマナーを問われることになるので御注意ください。

中核市の焼却施設を参考とした場合
  • ペットの亡骸であることを連絡したうえで可燃ゴミとして焼却(骨上げ不可) → 500円
  • 専用炉での火葬(骨上げ可) →5kg未満 7,600円
                   5~15kg 10,400円
                  15kg以上 12,500円

民間の業者による火葬

ペットの葬儀社に依頼して火葬する場合、自治体などの火葬に比べると、選べるサービス内容はいろいろです。
業者それぞれの特色がありますが、おおむね共通しているのは以下のような火葬の形式ではないでしょうか。

合同火葬 8,000円から15,000円が目安

他所の家のペットと一緒に火葬し、合同の骨壷に納骨されてペット霊園に埋葬されます。
民間の業者に火葬を依頼する場合、おそらく合同火葬が一番費用としてはかからないのではないでしょうか。
費用をおさえられるのはメリットですが、個別の骨上げができないところはデメリットかもしれません。

個別火葬・骨上げなし 14,000円~35,000円が目安

葬儀社が所有する炉で個別に火葬、もしくは火葬専用車で火葬にした後、飼い主が骨上げはせずに、遺骨を骨壷に入れた状態で手元に返される形式です。

個別火葬・骨上げあり 16,000~40,000円が目安

葬儀社が所有する炉で個別に火葬、もしくは火葬専用車で火葬にした後、飼い主自身の手によって骨上げをおこない、最後に遺骨を骨壷に入れた状態で手元に返される形式です。

犬を火葬する場合、体格によって費用に差があります。

また、個別火葬の費用には、ペット霊園の埋葬費用は含まれていません。
ペット霊園への埋葬を希望する場合は、別途必要がかかります。
(※金額は2017年時点の目安なので変わる可能性があります)

きちんと見送るのは飼い主の義務

愛犬が亡くなったあとのことなんて、今から考えたくもない!という飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

しかし、犬と人間の基本的な寿命には違いがあり、通常であればいつかは必ず愛犬の旅立ちを見送る日がくるのです。
大切に可愛がって育ててきたからこそ、最期の見送りもしっかりとする。
これは、飼い主としての義務ではないでしょうか。