黒い犬が白髪だらけになった!
若い頃は全身真っ黒だったのに、
いつの間にか白髪が混ざってゴマ塩になっていた――。
黒毛の犬と暮らしたことがある人なら、経験があるのではないでしょうか。
犬も年齢を重ねるうちに白い毛――白髪が生えることは珍しくありません。
黒や濃い茶などの毛色は白が混ざると目立つため、
なおのこと「白くなったなぁ」と感じるかもしれません。
しかし、他の毛色にも実は白髪は生えてくるのです。
単に目立つか目立たないかの違いであり、
普段はあまり犬の白髪が気にならなかったとしても、
子犬や若犬の頃の写真を見て初めて
「色が薄くなった!」と驚く飼い主さんもいるようです。
白髪になる年齢は
では、犬の白髪というのはいつ頃から生え始めるものなのでしょうか。
これはもちろん個体差があり、
すべての犬がシニア世代になってからというわけではありません。
1歳に満たない頃にすでに生え始める子もいれば、
10歳を過ぎてもあまり毛色に変化のない子もいるでしょう。
しかし、多くはやはり7才前後であることが多く、
人間の白髪が増え始める年齢とある程度一致しているようです。
それだけに、「白髪が増えた?」と感じたら、
毛の色以外も老化しているかもしれないため、
ドッグフードの種類や運動量などを見直す良い機会と捉えた方がよさそうです。
老化ではない白髪
異常なまでに犬の白髪を気にする飼い主がいます。
中には、まだ若いうちにもう白髪が3本も生えてきた……!
とブリーダーにクレームをつけるようなケースも。
その挙句、体のどこかに異常があるのでは?
と騒ぎ立てる人もいるのです。
まあ、何らかのストレスなどにより、
体調の異変で白髪が生えてくることが絶対にない、とは言い切れないでしょう。
しかし、よく考えてみてください。
犬の毛色というのは遺伝で決まるものであり、
両親、祖父母、曾祖父母……というように、
さかのぼっていくと黒以外の毛色の犬はいくらでもいるかもしれません。
つまり、もともと黒以外の毛が生える遺伝子を持っていた結果、
白い毛が生えてきたという可能性だってあるわけです。
イタリアングレイハウンドなどは一生涯にわたって毛色が変化し続けるところがあり、
子犬の頃の毛色とシニアになってからの色が全身において
かなり変化することは珍しくありません。
それだけ、イタリアングレイハウンドの遺伝子には
いろいろな毛色の要素が含まれているのです。
トリミングによって白くなることも
トリミングでバリカンを使い続けていると、毛色があせていきます。
その結果白っぽくなってしまうケースも。
ミニチュアシュナウザーやワイヤーフォックステリアなどの剛毛を
濃い毛色のままでいさせたい場合は、毎回バリカンで刈るのではなく、
ハサミでカットした方がよいでしょう。
また、トイプードルのレッドやアプリコットなどは、
ほぼすべての個体が成長とともに色があせていきますが、
これは異常でもなんでもありません。
レッドやアプリコットは子犬の頃が一番濃い色をしていますので、
成長とともに薄くなったとしてもがっかりする必要はないのです。
たとえ毛色が薄くなったとしても、きちんとお手入れをして
トリミングをしているトイプードルの容姿は素晴らしいままです。
犬の本質を見ずに毛色のことばかりに気をとられるのは、やめておきましょう。
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