病気の犬を連れて避難すること
2019年10月の台風19号。なんと、筆者の家も被害を受けました。
とはいえ、我が家は床下浸水で済んだので、比較的早期に住まいを復旧させることはできたのですが……。
今回、これまでに経験したことのない状況の中で、考えさせられることがたくさんありました。中でも、腎不全を患っている犬の療法食に関してヒヤリとしたことで、備蓄の大切さを改めて認識させられたのです。
腎不全用の療法食が直前に届いていたからセーフだったが…
大きな川の近くにある我が家。普段から「うちはハザードマップでは赤い地域だからいろいろ備えておかないとねぇ」などと家人と話しをすることはありました。
しかし、話しているだけで実際のところ、本当の意味での危機感はなかったのです。そのため、すさまじい豪雨が降り始めてから、あわてて避難する準備を始めたんですね。
そして腎不全用療法食が梱包されているダンボールを開封しながら心底ぞっとしました。
もし、備蓄の大切さ2日前にこの荷物が配達されていなかったら、避難先での生活が長くなった場合に、果たして腎不全用の療法食を用意できたのだろうか、と。
我が家では腎不全用の療法食を3ヶ月ごとに定期購入しています。たまたま届いた直後だったからよかったようなものの、たとえば到着予定日が台風19号の到来より後だったら、近日中に受け取るのは困難だったかもしれません。
ダンボールをがばっと開けて中に入っていた3袋をリュックに詰めながら、今ここにこれだけの量が確保できていなかったら、どうなっていただろうと肝が冷えました。
実家に避難できたから良かったが、もし避難所だったら…
我が家の実家は同じ県内の被災しないで済んだ市町村にあります。そのおかげで、幸いなことに一時期身を寄せることができました。
ワンコ達は毎年のお盆と年末年始に泊っている家ということもあり、場所にも人にも慣れています。
おかげで住まいから離れたとはいっても、精神的、肉体的にほとんどストレスを受けることなく過ごせたのではないでしょうか。むしろ、ジイジとバアバに遊んでもらえるため、嬉しそうにはしゃいでいるぐらいでした。
これがもし避難所だったら、ワンコ達はこうも楽しく過ごすことはできなかったでしょう。特に腎不全を患っている犬は、大きく体調を崩してしまったかもしれません。
もちろん、車上避難を余儀なくされたとしたら、なおのことです。
我が家は避難したとはいっても、たまたまかなり恵まれた状況にいることができました。しかし、病気のワンコを抱えて大変な思いをした飼い主さんはたくさんいたはずです。
避難生活で体調を悪化させたワンちゃんやネコちゃんなどがいませんように、と祈らずにはいられません。
替えのきかないものを備蓄しておくことの大切さ
今回ワンコ達を連れて避難したことで、備蓄の必要性が身に染みてわかりました。
絶対に必要なものをなくなるギリギリになってから補充していると、ひとたび災害が起きたとたんに足りなくなってしまうんですよね。
とりわけ療法食や薬といった代えのきかないものは深刻です。もしも手に入らなかった場合、愛犬の体調を維持することそのものが困難になるでしょう。
ペットを連れての避難はただでさえ大変ですが、ましてや病気の犬や老犬を連れていたら、想像を絶する困難が予想されます。
備えあれば憂いなし。
わかっているようでいて、どこか他人事になっていたんですよね。
愛犬が病気を患っていると、毎月かかる薬代はバカになりません。そのため、ついついギリギリの量だけ処方してもらっていたのですが、可能であればいざという時のことを考えて、2倍とまではいかなくても、1.5倍ぐらいの量は手元に置いておくほうが安心だと知りました。
今回のように広い範囲が被災した場合、もれなく動物病院も被災していることを考慮しておくべきなんです。
関連記事
-
腎不全の犬は脱水で口と目が乾きやすい
我が家の最年長ミックス犬は、2019年4月で15才になります。現在腎不全を患っており、ステージ3。ステージ3の残存している腎機能は25~10%です。10%を下回
-
子犬を迎えた初日から1週間の過ごし方が、その後の方向性を決めるかもしれない
子犬をお家に迎えた日は、嬉しくて嬉しくて仕方がなくなりますよね。お子さんがいるご家庭などは、一日中子どもと子犬がはしゃぎまわり、それはもうお祭り騒ぎのようになる
-
寝床に対するこだわりは犬それぞれ
犬が寝る前にくるくる回っているのを見たことがありますか?あれは、犬が野生で暮らしていた頃からの習性で、その理由には諸説あります。寝やすいように草むらを倒すためだ