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庭にドッグランを作りたい!地面に敷く材質は何がいい?

この記事の目次

愛犬をドッグランに連れていく――。 いまでは当たり前になりましたが、一昔前の日本にはドッグランなどという素敵な施設はありませんでした。

ちなみに、世界で一番最初にドッグランができたのは米国ニューヨーク。 1990年のことなので、世界的にみても、それほど歴史があるわけでもないんですよね。

そして日本で初めてドッグランなるものができたのは、それから12年後の2002年。 東京の駒沢公園内に作られたドッグランが日本初ではないかと認識されています。 もちろん、もしかしたらそれ以前に日本のどこかでドッグランが作られていたのかもしれません。 しかし、それなりにメジャーな施設である駒沢公園内に作られたことで、「ドッグラン」が世に広く認知されはじめたと考えれば、ここが日本初でいいのではないでしょうか。

自宅の庭にドッグランを作りたい!

愛犬をドッグランで思い切り遊ばせてやりたい! とは思うものの、忙しくてなかなか連れていけなかったり、ドッグランまでの距離が遠かったりと、思うように利用できない飼い主さんは少なくないはずです。 だからこそ、自宅の庭にドッグランがあったらいいと思いませんか?

もちろん、よほどの土地持ちでもない限り、施設としてのドッグランと同レベルの広さを確保することは難しいでしょう。 しかし、たとえ狭かったとしても、少なくとも愛犬を自由に遊ばせられるスペースを作ってあげられたら・・・。

というわけで、狭くてもいいから自宅の庭にドッグランを作るとしたら、庭に敷くものの材質にはこだわりたいところです。

ドッグランに向いている材質とは

愛犬を楽しく遊ばせる場所を作るわけですから、敷き詰める材質は犬のことを考えて選択しなければ意味がありません。

仮にタイルやレンガを敷き詰めたら、見た目としてはとてもきれい。 加えて掃除もしやすいし、水はけを考えて敷き詰めれば雨天時にもドロドロしません。 しかし、滑りやすくクッション性に欠けるため、ドッグランには向かないんですよね。

また、砕石を敷き詰めた場合、費用としてはかなり安くおさえることができますが、尖った石が犬の足を傷つける可能性が高いため、こちらもドッグランには向きません。

ドッグラン――犬が楽しく遊べるスペースに求められるのは、

  • 犬が走り回っても滑りにくいこと。
  • クッション性があって犬の足に優しいこと。

まずはこの2つの条件が、絶対に外してはいけない大前提です。 そのうえで、手入れがしやすい、管理がしやすいといったことを合わせて考えていくべきではないでしょうか。

こういった諸々の条件を考えたとき、ドッグランに敷き詰める材質として使いやすいのは次の4種類。

  • 天然芝
  • 人工芝
  • ウッドチップ
  • バークチップ

では、上記4種類のうちどれが一番ドッグランに最適な素材なのかといえば、実はどれも一長一短。 一概にどれがベストであると断じるのは難しいのです。

天然芝

言わずと知れた芝草という植物です。 芝草にはいくつか種類がありますが、一般的によく使われているのは日本の高温多湿な環境にも強い日本芝、もしくは寒さに強いとされている西洋芝あたりでしょうか。

天然芝のメリット
  • 本物の植物であるというナチュラル感。
  • きれいに生えそろった芝生は見た目に美しく、踏みしめた足の感触も気持ちがいい。
  • 四季や日光の当たり方によって表情を変えるため、庭としても楽しめる。
天然芝のデメリット

  • 春から秋にかけてはこまめな芝刈りが必要。
  • 定期的に草むしりをしないとあっという間に雑草がはびこる。
  • 芝生の状態をきれいに維持するためには定期的な肥料が欠かせない。
  • 冬になって芝が枯れると茶色になって見た目が寂しくなる。
  • マダニがつく可能性がある。
人工芝

材質はポリエチレンやウレタンなどの合成樹脂であり、天然の芝に見えるように作られています。 人口芝は値段によってその品質にはピンからキリまであり、天然芝に近い風合いものは当然のことながら価格が高めです。

人工芝のメリット
  • 天然芝に比べて維持管理が簡単。
  • 防草シートを敷けば雑草が生えてくることもほとんどないため、草むしりの必要がない。
  • 丈夫な素材でできているため、気兼ねなく芝の上で遊ばせられる。

人工芝のデメリット

  • 人工芝を敷く際の防草シートが不十分だと雑草が繁殖し、さらにはカビが生える。
  • 経年劣化するため、10年程度で貼り替えが必要。
  • 劣化してくると見た目の安っぽさが際立つ。
ウッドチップ

ウッドチップとは木材を細かく砕いたもののことです。 木材の種類としてはスギ、ヒノキ、クスノキなどが多く、木材をまるごと使っているところが特徴の一つです。

ウッドチップのメリット

  • 材料となっている木の種類によって香りが異なるため、シロアリなどに強い防虫効果の高いものを選ぶことができる。
  • 土の上に撒いた場合、雨天時などの泥はねを防ぎやすく、さらには雑草も生えにくい。
  • 木材のクッション性により犬の足にかかる負担を軽減できる。
ウッドチップのデメリット

  • 粒が小さいため、敷き詰めるにはかなりの量が必要になる。
  • 粒が割れやすいため、トゲや割れなどによるケガに注意しなければならない。
  • 初期費用は比較的安く済むが、劣化した部分の交換や追加が必要になるため、定期的な交換と補充が必要。
バークチップ

バークチップとは、ウッドチップの一種です。 ウッドチップが木材をまるごと砕いたものであるのに対し、バークチップは樹皮の部分のみを砕いたもの。 主に赤松や黒松の樹皮が使われています。

バークチップのメリット

  • 粒のサイズが大きいため敷き詰めやすい。
  • 形が丸みを帯びているので犬の足に優しく、トゲや割れによるケガの心配が少ない。
  • シロアリが巣を作れない素材のため、シロアリの耐性が高い。
  • 土の上に撒いた場合、雨天時などの泥はねを防ぎやすく、さらには雑草も生えにくい。
バークチップのデメリット

  • ウッドチップに比べると単価が高い。
  • 劣化した部分の交換や追加が必要になるため、定期的な交換と補充が必要。

庭のドッグランは土がむき出しのまま作るとろくなことにならない

わざわざ何かを敷かなくても、土がむき出しのままドッグランを作ることはできます。 ただし、残念ながらあまりドッグランとしてのメリットはありません。

雨天時はぬかるんで滑りやすくなるだけではなく、うんざりするほど犬が泥だらけになるからです。 さらには犬の足によって踏み固められた地面は想像以上に固くなるため、犬の足に負担をかけることにもなるでしょう。

しっかりと庭を囲いさえすれば、それなりに犬を遊ばせるスペースを作ることは可能。 しかし、安全性や諸々の手間を考えてある程度のレベルまできちんと作り上げてこそ、自宅ドッグランは「作って良かった!」と思えるものになるんですよね。

せっかく作るのであれば、最初にしっかり作り上げることが、後々の手間を減らしてくれるのです。