狂犬病は恐怖の感染症
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狂犬病予防ワクチンは法律で接種が義務付けられているため、
あまり深く考えることなく毎年一回愛犬に接種を受けさせていませんか?
では、改めて聞いてみたいと思います。
あなたは、狂犬病がどんなものか知っていますか?
日本では撲滅した狂犬病だが…
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狂犬病の予防接種が義務付けられたのは1952年のことです。
それからたった7年で日本は狂犬病を撲滅することができました。
これはつまり、大多数がきちんとワクチン接種をすれば、
伝染病を克服することができるのだと証明したわけです。
しかし、そのおかげで私たち日本人の多くが
狂犬病という伝染病の実態を知りません。
「狂犬病ってことは、犬がバカになっちゃう病気なんでしょう」
などと本気で思っている人がいるとしたら、
己の無知を恥じて二度と人前でそんなことを口にしてはいけません。
なぜなら、世界的に見たら狂犬病は
南極を除いた全ての大陸で感染が確認されていて、
今でも毎年5万人以上が狂犬病で死亡しているからです。
現在、厚生労働省が狂犬病清浄地域として指定しているのは
日本、英国(グレートブリテン島及び北アイルランドに限る)、アイルランド、
アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、ハワイ、グァム、
フィジー、オーストラリア、ニュージーランドという少なさです。
世界の国の数や広さから考えたら、
これらは地球全体のほんのわずかな地域でしかありません。
つまり、それ以外の地域では
いまだ狂犬病に感染する可能性があることを忘れてはいけないのです。
(米疾病予防管理センターがさらに細かく地域を特定していますが、ここでは割愛します。)
狂犬病は犬だけの病気ではない
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名前のせいで犬だけがかかる病気だと思っている人もいるようですが、
実際には人間を含む哺乳類のすべてが狂犬病ウィルスに感染します。
通常であれば人間から人間への感染はありませんが、
犬以外の動物から人間に感染することもあるのです。
一般的にはこのウィルスに感染した動物に咬まれると唾液などから感染し、
ウィルスは神経系を介して脳神経組織に到達するという、恐ろしい伝染病です。
別の感染症と違う点は、狂犬病ウィルスは咬まれた場所によって
脳神経まで到達する時間が異なるため、足先など脳から遠いところを咬まれた場合、
狂犬病に感染していると気づくまでにかなり時間がかかるケースがあることです。
狂犬病の症状
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最初は風邪をひいたような症状と、咬まれた場所の痒みや
熱っぽさを感じる程度であまり深刻な感じがありません。
しかし次第に急激な不安感や恐水症状などが表れるようになり、
やがては恐風症状へと発展し、異常な興奮を見せるようになります。
そして体が麻痺したり精神錯乱などの神経症状へと進んでいくことになるのです。
その激烈な症状の先には全身の筋肉が麻痺し、
昏睡の後に呼吸障害で死亡するという、すさまじい伝染病です。
狂犬病の死亡率は……
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狂犬病のワクチン接種を受けない状態で
ウィルスに感染した場合、その死亡率は99.99%。
つまり、感染すればまず死亡してしまうと考えるべき致死率です。
また、九死に一生を得て生存することができたとしても、
麻痺などの後遺症に苦しむことになるでしょう。
この恐ろしい伝染病は、幸運にも日本では撲滅できていますが、
世界的みれば残念ながら現在も続行中なのです。
「日本には狂犬病がないのに、何で毎年犬に予防接種しなきゃいけないの?」
などということを、軽々しく口にできるのは、狂犬病予防接種を法律で
義務付けられているおかげだということを忘れるべきではありません。
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